医療トピックス トピックス
毎日ドクタ- 健康かわら版 12月号 2016.11.25
一般財団法人 毎日ドクター

2016年度 インフルエンザ情報

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■インフルエンザの基礎知識
毎年、冬に流行するインフルエンザは通常の風邪ウイルスとは異なり感染力が強いため、学童では学級単位で、大人では事業所・部署単位で集団感染、集団発症をおこします。感染してから1~2日で発熱(37度~39度)、全身の筋肉痛、倦怠感、吐き気、下痢、食欲低下、脱水症などを引きおこします。また乳幼児では脳炎の合併、高齢者では肺炎の合併も心配されます。
本年は昨年より流行が1ケ月早く12月中旬頃に流行期に入る危険があります。

■インフルエンザの予防接種
日本のインフルエンザ予防接種実施率は30%台後半で欧米の50%台と比較すると低率となっています。インフルエンザは集団感染、集団発症、重症化する危険がありますので是非、予防接種を実施しましょう。本年のインフルエンザワクチンは、インフルエンザA型株2種類(Aカリフォルニア/A香港)とインフルエンザB型株2種類(Bプーケット/Bテキサス)から製造しておりインフルエンザ発症の予防効果が期待できます。

■予防接種のポイント
①医療機関では10月下旬からインフルエンザの予防接種を実施しています。
②本年流行すると想定されるインフルエンザウイルスに対応したワクチンです。
③大人は予防接種1回で十分効果があります。
④予防接種後10日~2週間で免疫を獲得し、約4か月持続します。
⑤予防接種実施にあたっては十分な問診と体温測定をいたします。当日に37.5度以上の発熱がみられると延期になる場合があります。

■インフルエンザの感染を予防しましょう!
①流行期には手洗いとうがいをこまめにしましょう。
②通勤や人ごみの中ではマスクをしましょう。
③加湿によりインフルエンザウイルスの飛散が弱まります。加湿器を使いましょう。
④インフルエンザの予防接種を毎年実施しましょう。
⑤免疫力を落とさないために充分な睡眠とバランスの良い食事を摂りましょう。
⑥残業や休日出勤はひかえて体力を維持しましょう。
⑦体調不良を感じたら体温を測り、医療機関を受診しましょう。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 11月号 2016.11.01
一般財団法人 毎日ドクター

健康診断で最も多い脂質代謝異常に注意しましょう

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■脂質代謝異常とは
脂質代謝とは毎日の食事で摂取するコレステロ-ルや中性脂肪のバランスをいいます。
コレステロ-ルは細胞を構成する材料になったり、ホルモンを作る材料になったりします。中性脂肪は細胞が活動するエネルギ-源となります。

■正常値(mg/dl)
総コレステロ-ル:120~219mg/㎗  中性脂肪:30~149mg/㎗
善玉(HDL)コレステロール:男性40~85mg/㎗ 女性40~95mg/㎗
悪玉(LDL)コレステロ-ル:65~119mg/㎗

■健康診断における傾向
最近は脂質代謝異常の方が急増しており、体重の増加とともに総コレステロ-ル、悪玉コレステロ-ル、中性脂肪の上昇が目立ちます。
悪玉コレステロ-ルの上昇は血管内空に脂の塊であるプラ-クを蓄積させ、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞をひき起こします。
中性脂肪の上昇は内臓・皮下脂肪を増大させて、肝臓機能障害や糖尿病を誘発します。

■脂質代謝異常の対策
①卵料理をひかえましょう。鶏卵は2日に1個を目安としましょう。
②魚卵の食べ過ぎに注意しましょう。子持ちシシャモ、たらこ、イクラ、スルメはコレステロ-ル含有量が多いのでひかえめにしましょう。
③魚や鶏肉を中心に献立をつくり、牛豚のバラ肉、ロ-ス、カルビは少量にしましょう。鳥皮はコレステロ-ル含有量が多いのでひかえめにしましょう。
④緑黄色野菜(トマト、ブロッコリ-、ニンジン、レタス、ピ-マン)や繊維質の多い野菜(アスパラ、ゴ-ヤ、ごぼう、ふき、レンコン)などを先に食べましょう。
⑤飲酒により肝臓で中性脂肪が合成されます。飲酒量は年々減らしていきましょう。
⑥ピ-ナッツ、ア-モンド、落花生、胡麻などは中性脂肪を上昇させます。摂取量を調整しましょう。
⑦朝食はしっかり食べて夕食のボリュ-ムを80%位に減らしましょう。
⑧早食い、ドカ食いは脂質代謝異常と糖代謝異常をまねきます。注意しましょう。
⑨毎日よく歩くようにして消費カロリ-を増やしましょう。
⑩週3回30分程の運動をしましょう。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 10月号 2016.09.30
一般財団法人 毎日ドクター

健康維持の秘訣は血管年齢にあり

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■血管年齢とは
私たちの体は常に新陳代謝を繰り返しており、加齢現象も常に進行しています。
血管年齢は血管の硬さ(CAVI)、血管内空のつまり具合(ABI)から判定します。実年齢と比較することにより加齢現象の進行状態を把握することができます。加齢とともに動脈硬化は進みますが、実年齢よりも血管年齢を5歳から10歳若く保つことが健康維持の秘訣となります。

■血管年齢が実年齢よりも上回る原因
加齢による動脈硬化は避けられない現象ですが、動脈硬化に拍車がかかり血管年齢が実年齢より先行しますと高血圧症、心筋梗塞、脳卒中の危険が格段に高まります。血管年齢が実年齢よりも先行する原因としては

①喫煙
②過度の飲酒
③濃い味付け、塩分の摂りすぎ
④コレステロ-ル(悪玉コレステロ-ル)の上昇
⑤運動不足
⑥肥満、体重増加
⑦高血圧状態の放置
⑧糖尿病予備軍、糖尿病の放置

などがあげられます。毎年の健康診断でチェックをして、内科主治医、産業医、管理栄養士などと相談の上、適切なアドバイスのもとにリスクを減らしていく努力をしましょう。

■血管年齢の測定方法
血管年齢は高血圧症や脂質代謝異常(高コレステロ-ル血症)の疑いがある方は、保険診療で検査を受けることができます。企業健診では検査項目として採用されていないことが多いのでオプション項目として検討されるとよいでしょう。血管年齢は、身長、体重、血圧、心電図の基本デ-タをもとに、両上腕と両下腿に装着するセンサ-から血流速度を検査して判定します。
血管の硬さ(CAVI)が実年齢よりも先行している場合は薄味、塩分制限を心がけてよく歩くようにしましょう。血管内空のつまり具合(ABI)が実年齢よりも先行している場合は悪玉コレステロ-ルの正常化が重要となります。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 9月号 2016.08.31
一般財団法人 毎日ドクター

残暑の疲労回復に梅干を

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■残暑の胃腸は
残暑がきびしいこの時期は夏の疲労や冷たい飲み物などの影響で胃腸障害を起こす方が増えてきます。食欲がなくなったり、お腹が張ったり、軟便が何度も出たり様々な胃腸症状がみられるようになります。冷たい飲み物が急速に胃に流入しますと胃壁の毛細血管は収縮して胃粘膜の血流は低下します。胃酸や胃粘液を分泌する消化管分泌細胞の機能も低下がみられ食後の胃もたれ、膨満感の原因となります。

■梅干の効能
梅干は昔から日本人に縁の深い食品で、さまざまな言い伝えも残されています。弁当に梅干を入れておくと御飯が傷みにくいという話はよく聞きます。また江戸時代には「梅干はその日の難のがれ」ということわざがあり、朝でかける前に梅干を1つ食べておくと、その日は食欲がわき胃腸も快調で風邪もひきにくいとされていました。梅干を想像しただけで唾液が出てきて食欲がわいてきます。

梅干の主成分のクエン酸は強力な殺菌作用があり食品の腐敗を予防します。日の丸弁当やおにぎりの具に梅干を使用することは食中毒予防の効果があります。またクエン酸は体内で発生した疲労物質をすばやく代謝して慢性疲労の蓄積を予防します。細胞の新陳代謝を活性化して胃腸の消化機能を高める効果もみられます。

■梅干はピロリ-菌の活動を弱める
梅干には梅リグナンという成分がふくまれており、日本人に多いピロリ-菌の活動をおさえる効果(静菌作用)があります。

■梅干の塩分
一般的に梅干は塩分量9%以上のものをいいます。それ以下の減塩加工の施されたものは調味梅干といって区別されています。9%の中粒の梅干に含まれる塩分は約1gです。熱中症の予防、食中毒の予防、全身の疲労回復、消化機能の維持のために、1日に1個の梅干は塩分の取りすぎの心配もなく残暑を乗り切るためにお勧めの食材といえるでしょう。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 8月号 2016.08.02
一般財団法人 毎日ドクター

食中毒の予防について

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■食中毒予防の基本
高温多湿の夏は食中毒が発生しやすくなります。食中毒は毎年1000件~3000件発生しており、患者数は3万人~5万人にのぼります。食中毒予防の原則は食中毒菌を付けない、増やさない、退治することです。

■細菌性食中毒の症状
①腸管出血性大腸菌O‐157
牛の腸に生息している細菌です。牛刺し、内臓の生食は危険です。加熱調理が大切です。感染すると2日前後で激しい腹痛、下痢、血便がおこります。劇症重症化する傾向があります。
②サルモネラ菌
鶏、牛、豚などの腸や鶏卵に生息しています。また河川や下水にも生息しています。犬、猫などのペットから感染することもありますので嗽、手洗いが大切です。感染後6時間から72時間で腹痛、下痢がみられます。
③腸炎ビブリオ
海水に常在している菌で、海水温が20℃以上に上昇すると増殖します。シラス、アジ、サバ、タコ、イカなどの生食から発生します。海水浴後に皮膚の傷から感染することもあります。感染後10時間から20時間で腹痛、下痢が見られます。
④黄色ブドウ球菌
おにぎり、寿司、仕出し弁当などで発生します。皮膚に常在している菌で、調理の際に菌が食品に移行し食品表面で増殖後、毒素を産生します。感染後1時間~5時間と早い時期に腹痛、下痢が見られます。耐熱性毒素のため加熱調理では予防できません。調理人の徹底した手指の消毒と食事前の手洗いが大切です。

■食中毒の予防ポイント
①調理人の手指の消毒と食事前の手洗いをしっかりして食中毒菌を付けない
②食材を買ったら保冷バックを利用して持ち帰る。帰宅後は直ちに冷蔵庫に保管する。冷蔵庫は70%ほどの収蔵にして保冷効果を高めて食中毒菌の増殖を防ぐ
③加熱調理を基本として、調理器具は除菌、消毒を徹底して食中毒菌を退治する
④食中毒が発生した場合は、医療機関を受診して疑わしい食事を報告しましょう。
症状によって便培養、血液検査、点滴、抗生剤投与などがおこなわれます。また2次感染予防のため、自宅のトイレ、台所、タオルなどの除菌、消毒も重要です。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 7月号 2016.06.30
一般財団法人 毎日ドクター

梅雨時の体調管理について

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

本年も梅雨に入りました。高温多湿のこの時期は体調管理に気をつけましょう。

■屋内や室内での熱中症の予防
私たちは発汗作用で汗をかき、その気化熱により体表温度を調節しています。高温、多湿、無風の状態では発汗作用が低下して体表温度が下がりにくくなります。この時期はこまめな水分補給が最も大切ですが、ここ数年では屋外での熱中症よりも屋内や室内での熱中症が多く発生しています。屋内や室内での熱中症は体がだるい、筋肉が突っ張る、頭痛を感じる等、軽症の熱中症が多くみられます。
対策は
①サ-キュレ-タ-、扇風機を利用して屋内や室内の風通しを良くすること。 
②普段から運動を心がけて汗をかきやすい体にしておくことが大切です。

■梅雨時の運動
日頃から運動を心がけている方は発汗作用が優れており、熱中症を発症する危険は下がります。この時期の運動は脱水症や筋肉疲労を伴いやすいので注意が必要です。いきなり運動を開始するのではなく、少し水分を補給して体操やストレッチを十分おこない、ウォ-ミングアップをしっかりしましょう。運動はゆっくり軽めの負荷から徐々にペ-スを上げていきましょう。運動のピ-ク時でも会話が出来る程度の負荷が理想です。
梅雨時の散歩やジョギングは額にうっすらと汗がにじむ程度で十分です。目安としては30分程がお勧めです。運動終了後もしっかり体操をして筋肉をほぐしましょう。運動中や運動終了後もこまめに水分を補給して、運動終了後に尿が出ることが重要です。排尿により体内の疲労物質が排泄され、筋肉のトラブルを予防します。疲れや筋肉疲労をとるためにはシャワ-だけではなく温めの温度での半身浴や、のんびり入浴も有効です。発汗作用が亢進して体表温度のコントロ―ルも良好になります。本格的な真夏が来る前に是非、汗のかきやすい体作りをしましょう。

■夏季の早朝は心筋梗塞や脳梗塞が発症しやすい
これから暑さが増してきますと夜間睡眠中も汗をかきます。夏季では早朝4時から6時にかけて体内の脱水傾向が強まります。脱水傾向が強まりますと血液は濃縮をおこして血栓症の危険が高まります。心臓の冠動脈で血栓症がおきれば心筋梗塞となります。又、高齢の方では心房細動などの不整脈により脳血管に血栓が流れ、脳梗塞を発症しやすくなります。日中からこまめに水分を補給すると同時に、夜間も枕元にペットボトルを置いて一口から二口程度を時々補給しましょう。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 6月号 2016.06.01
一般財団法人 毎日ドクター

 あなたの食事は大丈夫?『新型栄養失調』を知っていますか

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■新型栄養失調とは
偏食が原因で起こる栄養失調で、おもにタンパク質の摂取不足により起こります。自分では注意してバランスの良い食事をとっているつもりでも、間違ったダイエットをしている人、健康診断でコレステロ-ル高値を指摘されている40代の人、70歳以上の高齢者に多くみられます。(70歳以上の5人に1人は新型栄養失調と考えられています) 理由としては ①極端なダイエットを続けるため肉を一切食べない。 ②コレステロ-ル値を気にし過ぎて肉や卵を控えている。 ③年齢とともにさっぱりとした味付けを好むようになった。麺類やお茶づけを食べる機会が増えて動物性食品を食べない。 ④運動量の低下や外出の機会が少なくなり、活動量の減少から食欲低下をおこしている。 などが考えられます。

■タンパク質の摂取は加齢現象を遅らせる
食事の中のタンパク質が減るとタンパク質不足により血液中の血漿アルブミンという物質が減少して免疫力の低下や体のむくみが起きます。また体を支える筋肉繊維が細くなります。特に高齢者では太ももの筋力が低下して転倒しやすくなります。血清コレステロール値が正常値下限のグル-プよりも正常値上限のグル-プの方が健康長寿であるという研究報告も発表されています。血清コレステロール値を気にし過ぎて肉料理や卵料理を必要以上に減らすことは全身の加齢現象に拍車をかける危険がありますので極端なダイエットは止めましょう。高血圧症、冠動脈疾患、脂質代謝異常、糖尿病、肥満症などの治療中の人は主治医と相談の上、脂質、カロリ-、塩分を程良く控えた食事を心がけましょう。

■血液検査でタンパク質をチェック
毎日の食事で大切な事は、カロリ-オ-バ-に気をつけると同時に栄養素のバランスに注意をする事です。健康長寿を目指すためには良質で低脂肪な肉料理(ヒレ肉、鶏ささみ、)や魚介類、ある程度の卵料理を摂取する事が重要です。ご自身の栄養バランスを確認するためには年2回ほど血液検査を受けてみましょう。血液中の血漿アルブミンが3.5g/dl以下ですと新型栄養失調と診断されます。その他の項目としては総コレステロ-ル値、悪玉コレステロ-ル値、HbA1C、肝機能、貧血検査などが重要です。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 5月号 2016.05.01
一般財団法人 毎日ドクター

― 企業における健康経営 ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■健康経営という概念
最近、健康経営という考え方を積極的に導入する企業が増えてきました。健康経営とは『従業員の健康は、現在の企業活動を支えると同時に将来の企業発展を導くものであるという理念のもと、従業員一人ひとりの健康は企業にとって経済的価値を有している事を認識して、健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践していく』ことです。
例えば、重要な仕事を任されていた従業員が急に心筋梗塞で倒れたり、ストレスにより鬱傾向となった従業員が休職せざるを得なくなると、ご本人は勿論の事、企業にとっても大変な事態となります。健康経営の基本は緊急事態が発生した時の断片的な対応ではなく健康管理について、予防的、継続的に組織的な方針を決定して、企業として投資をしていくことです。

■健康経営の中核
① 毎年行う企業健診、メタボ健診、夜間従事者健診など。
 将来発生する危険のある病気の予防。(高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞など)
 健診後の二次検査、精密検査の受診勧奨。(やりっ放しにしない)
 悪性腫瘍の早期発見、治療。(内視鏡的手術、腹腔鏡的手術により早期に職場復帰)
 メタボ、生活習慣の改善。(保健師や管理栄養士による食事指導、特定保健指導)
② 昨年12月より実施が義務化されたストレスチェック。
 ストレスの一次予防。(個人レベルでの考え方や行動の工夫)
 ストレスの二次予防。(産業医との個人面談の利用) 
 ストレスの三次予防。(精神科専門医の受診)
 風通しの良い職場環境の構築。(高ストレス者が多い部署の改善)
 ストレスチェック後の全体セミナ-。(全ての従業員へフィ-ドバック)
③ 勤務体制の見直し、長時間労働の是正。
④ 禁煙の推進。
⑤ 体力増進を目的とした健康スポ-ツの推奨。

■健康経営の鍵
企業のトップによるトップダウンの決定が不可欠です。また最高健康責任者(CHO)を選任して特別チ-ムを結成する企業もあります。産業医、保健師、管理栄養士、精神科専門医との連携も大切です。そして雇用者と被雇用者が共に『従業員全員の健康管理は企業活動や企業発展に直結している事を認識して、双方が同じレベルで努力をしていくことが最も重要な鍵となります。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 4月号 2016.04.01
一般財団法人 毎日ドクター

― 睡眠リズムと睡眠障害について ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

 

睡眠に関係するホルモン
私たちの脳には睡眠を調節する体内時計があります。脳の松果体から分泌されるメラトニンというホルモンはこの体内時計に働きかけて眠気を誘う睡眠導入ホルモンです。起床後に紫外線を浴びるとメラトニンの分泌は止まり脳や体は覚醒してきます。その後、14~16時間経過して夜10時ごろになると、再びメラトニンの分泌が活発になり睡眠を誘います。またメラトニンは新陳代謝を促進して睡眠中に疲労を回復する作用もあります。

睡眠の種類
睡眠は約90分周期で浅い睡眠(レム睡眠)から深い睡眠(ノンレム睡眠)に移行して再び浅い睡眠(レム睡眠)にもどります。一晩に4回から5回この睡眠周期を繰り返します。

睡眠障害の原因
起床後に窓を開けて外の景色を見ないと紫外線が網膜から吸収されずメラトニンの分泌が続き眠気が残ります。また夜間のメラトニンの再分泌の時間が遅れて寝つきが悪くなります。さらに、深夜にパソコンやテレビを見ていると、強い光刺激が網膜に吸収されてメラトニンの分泌は遅れます。その結果、自然な眠気がおこらず不眠の原因となっていきます。

睡眠時無呼吸症候群とは
夜間睡眠中に10秒以上呼吸が止まり、体内の酸素濃度が低下する状態が1時間に5回以上みられと睡眠時無呼吸症候群が疑われます。睡眠時無呼吸症候群は肥満体型の人、いびきをかく人、寝酒の習慣のある人によくみられます。夜間に低酸素状態となると、翌日の仕事中に、急に眠り込んだり集中力が出なくなったりします。運転中に信号待ちで居眠りをしてしまうこともおこります。また慢性的な低酸素状態から心臓に負担がかかり高血圧症を発症する人もみられます。

睡眠時無呼吸症候群簡易検査について
睡眠時無呼吸症候群が疑われる方は外来で問診や診察を行った後、簡易検査を行います。
簡易検査は鼻や指先に装着するセンサ-を貸し出して、ご自宅で一晩検査をしていただきます。診断は睡眠時無呼吸指数(AHI)を計算して判定します。睡眠時無呼吸症候群が強く疑われる人は次のステップとして専門病院に紹介をして1泊入院検査をおこないます。
毎日ドクタ-では睡眠時無呼吸症候群簡易検査をおこなっております。いびき、睡眠時無呼吸症候群がご心配な方は当院内科にてご相談下さい。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 3月号 2016.03.01
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― トップ・アスリ-トから学ぶメンタルヘルス向上術 ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

 

◆トップ・アスリ-トが心がけているフロ-の状態、ゾ-ンの状態とは
フロ-の状態とは水が流れるように物事が自然に支障なく進んでいく『心地良い状態』をいいます。ゾ-ンの状態とは『究極の集中状態』をいいます。フロ-の状態はゾ-ンの状態に入っていくための前段階と位置付けられており、ゾ-ンの状態に入ると自分の思ったように体が動き、無駄なく疲労感なく完全に実力が発揮できます。「ボ-ルが止まって見える。回りがゆっくり動いているように感じる。」と表現される状態です。ゾ-ンの状態では脳内でβエンドロフィンという脳内伝達ホルモンが大量に分泌され、爽快な気分になります。トップ・アスリ-トはこのゾ-ンの状態が終了すると、一度ク-ルダウンしてリフレッシュをした後、再びフロ-の状態をめざしていきます。

◆フロ-の状態からゾ-ンの状態に入っていく方法
トップ・アスリ-トは常に自分をフロ-の状態からゾ-ンの状態に導くメンタル・トレ-ニングをしています。以下にトップ・アスリ-トが常に意識しているポイントをあげてみます。私たちの日常のメンタルヘルス向上にも役立つことが多くあります。

① 意欲、目標を持つ。記録、順位、賞金、勝利にこだわる。闘争心を持つ。

私たちに置き換えれば: ごく身近な目標をつくる。ハ-ドルの低い目標から確実に達成していく。仕事でも仕事以外でも楽しい目標を立てる。

② 準備をする。過去のデ-タから科学的、合理的な練習を積み重ね自信を持つ。

私たちに置き換えれば: 過去の成功、失敗体験を次に生かす。経験値を積み重ねて効率を上げていく。

③ 感情のコントロ-ルをする。平常心で常に同じ実力を発揮する。

私たちに置き換えれば: 感情の起伏を抑える。一喜一憂しない。冷静に客観的に判断する。好不調の波(振幅)を小さくしていく工夫をする。

④ 集中とリラックスを使い分ける。戦闘モ-ドとインタ-バル状態を自己調節する。

私たちに置き換えれば: 仕事モ-ド(交換神経優位)と休みモ-ド(副交感神経優位)のバランスを意識する。連続作業を減らす。メリハリをつける。

⑤ 筋肉の収縮、スイングの軌道、ボ-ルの弾道をイメ-ジ・トレ-ニングする。

私たちに置き換えれば: 結果ではなく仕事の進行状況をイメ-ジしてみる。プラス思考で臨み、マイナス要素はウォッシュアウトする(今考えても現状が変わらない事はリセットして別のタイミングで考える)。

⑥ 相手のプレ-を称える。相手を尊敬する。

私たちに置き換えれば: 感謝の気持ちを持つ。自分から挨拶してコミュニケ-ションをはかる。相手の言動や行動から学ぶ姿勢を持つ。

⑦ ル-ティ-ンワ-ク(ポ-ズ)や心が落ち着く音楽、言葉を決めておく。

私たちに置き換えれば: 心が落ち着く日常生活のリズムや行動の順番を決めておく。自分が前向きになれる自分への応援歌を聞く。

⑧ 腹式呼吸で迷いや雑念を取り除き集中力を高めていく。

私たちに置き換えれば: 一度に複数の仕事を抱えている時は、まず気持ちを落ち着かせるために、鼻からゆっくり吸って臍の下を膨らませるようにして、口からゆっくりはきましょう。

上記の①~⑧の項目の中で、やれそうな事から日常生活で試してみましょう。継続する事により楽しい生き生きとした毎日となり、メンタルヘルス向上に繋がっていくと思います。

 
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