医療トピックス トピックス
毎日ドクタ- 健康かわら版 4月号 2014.04.01
一般財団法人 毎日ドクター

― 口腔疾患と全身の疾患との関連について ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

口腔疾患の代表に齲歯(虫歯)と歯周病があります。この2つ口腔疾患は私達の健康長寿に重大な影響を及ぼしています。これらの疾患と全身疾患との関連が重要視されています。

【齲歯(虫歯)と全身疾患】                                                                                                                           (注 齲歯:うし)
■ 誤嚥性肺炎
『80・20運動』とは、80歳の時に自分の歯を20本健在にしておく運動です。歯による咀嚼運動は、食べ物を細かく砕き、より消化吸収しやすくします。齲歯(虫歯)により自身の歯を失うと、しっかり噛めなくなり丸呑みする傾向があらわれます。また加齢による咽頭反射の低下も相まって食べ物の誤嚥が増大します。高齢者では誤嚥性肺炎が致死的な病気となります。

■ 体重減少・筋力低下
自身の歯を失い咀嚼運動が低下しますと噛み切る力が衰えて、食事のバランスが悪くなります。とくに良質なタンパク質の摂取に支障をきたして栄養バランスが不良となり体重減少や筋力低下をまねきます。高齢者にとって、自活していくライフワ-クに影響が出てきます。

【歯周病と全身疾患】
■ 糖尿病
歯周病は口腔内に常在している歯周病菌による慢性炎症で歯肉腫脹(歯槽膿漏)や歯痛、歯髄・歯槽骨破壊をおこします。放置していれば齲歯(虫歯)の原因となります。歯周病により口腔内常在菌が歯肉腫脹(歯槽膿漏)部位から慢性的に体内に侵入すると、全身の血液内で炎症性サイトカインが増大します。この炎症性サイトカインは膵臓から分泌されて食後の血糖値をコントロ-ルするインスリンというホルモンの働きを悪くします。その結果、健康な方が糖尿病予備軍になったり、糖尿病治療中の方が病状悪化をきたしたりします。

■ 感染性心内膜炎
歯周病により齲歯(虫歯)をきたし抜歯の処置を受けますと傷口から口腔内常在菌のレンサ球菌が大量に体内に侵入・感染することがあります。歯科では抜歯処置後は必ず抗生物質を3~4日分処方して感染予防をしています。不完全な内服により感染をおこすと心臓内膜に急性炎症をきたし、心嚢液貯留や心不全を発症することがありますので注意が必要です。

毎食後、就寝前に歯磨きをして口腔内を清潔に保ちましょう!

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 3月号 2014.03.01
一般財団法人 毎日ドクター

― ニオイのメカニズム 

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■ 嗅覚(きゅうかく)・臭覚(しゅうかく)とは
ニオイを感じるシステムを嗅覚・臭覚といいます。これは人間の5感の1つです。
5感とは視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚・臭覚をいいます。嗅覚・臭覚は一般的なニオイを感知する以外に、遠く離れた位置の個体を識別したり、食べ物が腐敗していないか確認したり、有毒なガスを嗅ぎ分けたりして、生命にとって大切な役割を担っています。

■ ニオイの感知と認識は
それぞれの個体や物質は常に固有のニオイの分子を空気中に放出しています。例えばバラの花の香り、キンモクセイの香り、汗のニオイ、アンモニアのニオイなど固有のニオイの分子を放出しています。私達は空気と一緒に、このニオイの分子を鼻から吸い込みます。吸い込まれたニオイの分子は鼻腔の天蓋にある嗅覚細胞を刺激します。
刺激を受けた嗅覚細胞は大脳に電気信号を送り、大脳で情報処理がなされニオイとして認識されます。すなわち嗅覚・臭覚とは鼻で感知をして大脳で認識をしているのです。

■ 嗅覚・臭覚のトレ-ニング
嗅覚・臭覚は個人差が大きくトレ-ニングにより鋭敏になります。ワインのソムリエ、日本酒の杜氏、香水の調香師などはトレ-ニングにより一般の人が嗅ぎ分けられないニオイまで分析できる能力を獲得しています。人の嗅覚細胞は347個ほどですが、犬の嗅覚細胞は人の200倍と考えられています。

■ 嗅覚・臭覚の順応・疲労
強い香水や自分の体臭など、長時間、同じニオイを嗅いでいると徐々にそのニオイを感じなくなる現象です。新鮮な無臭の空気をしばらく吸うと回復します。

■ 嗅覚・臭覚と脳の病気
脳細胞の萎縮により脳細胞のネットワ-クが悪くなると認知症が始まります。その人の若い時代に身の周りにあった生活臭や好んでいた香りを嗅がせることによって、脳を刺激し記憶を呼び戻すことにより、認知症の予防、改善をめざす治療も着目されています。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 2月号 2014.02.01
一般財団法人 毎日ドクター

― 2014年花粉症情報 ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

【今年の花粉飛散時期】
スギの花粉は1月から2月の寒波がゆるみ、少し気温が上昇傾向となると飛びはじめます。2月上旬より関東地方や九州南部などで花粉の飛散がはじまります。2月中旬には東海地方や西日本各地で飛散開始となります。2月下旬から3月上旬には北陸地方や東北地方で飛散がみられます。

【今年の花粉飛散量】
飛散量は前年の夏の気候に左右されます。2013年の夏はよく晴れて暑い日が多かったのでスギの光合成は活発になっており、今年の飛散量は過去5年間の平均よりは多くなると予想されます。但し、昨年の春は過去5年間の中で最も飛散量が多い年でしたので、今年は昨年と比較すると2割減で例年と比較すると1割増と考えられます。

【花粉症対策】
① 天気予報などで情報を収集しましょう。急に気温が上昇する日や風の強い日は一気に飛散量が増大します。布団や洗濯物は部屋干しにしましょう。
② 花粉症対策用のマスクやゴ-グルを利用しましょう。
③ オフィスや自宅内に花粉を持ち込まないようにしましょう。入室前に衣類を洋服ブラシ(できれば静電気で吸着するタイプ)で拂いましょう。
④ 集塵機や空気清浄器を活用しましょう。
⑤ 花粉症用の点眼薬や点鼻薬を利用しましょう。
⑥ 花粉症は眼・鼻・咽頭粘膜のアレルギ-症状です。内科や耳鼻科で眠気の少ない抗ヒスタミン剤などの処方を相談しましょう。東海地方では1月の最終週あたりから予防的な内服が有効と考えます。
⑦ いったん花粉症がはじまりますと、他の原因(食事、化粧品、オ-バ-ワ-ク)でのアレルギ-症状(蕁麻疹など)も出やすくなります。注意しましょう。
⑧ 花粉症の時期に毎日飲酒をすると深夜に鼻粘膜の毛細血管が拡張して鼻詰まりがひどくなり睡眠障害をおこします。節酒をこころがけましょう。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 1月号 2014.01.01
一般財団法人 毎日ドクター

― 初春の体調管理 ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

新年、明けましておめでとうございます。本年も毎日ドクタ-は保険診療、健康診断、予防接種、産業医活動を通して皆様の健康応援団として努めてまいります。本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。年始にあたりインフルエンザの予防と胃腸症状の予防について解説いたします。どうぞご参考にして下さい。

【インフルエンザの予防について】
① 手洗い、うがいを小まめにしましょう。
② 睡眠を第一優先にしましょう。
③ 混んでいる乗り物の中ではマスクをしましょう。
④ 1時間にコップ1杯程度(約100cc)の水分補給をしましょう。
⑤ 外出時はマフラ-や手袋をして寒気に備えましょう。
⑥ 自宅内で各部屋の温度差が少なくなるように調整しましょう。
⑦ 加湿器を利用して湿度を40%以上に調整しましょう。

【胃腸症状の予防について】
① 冬場はノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行します。ノロウイルスは小腸に病変が発生するため嘔吐と水様性下痢が激しくみられます。症状が出現したらただちに医療機関にかかりましょう。
② ノロウイルスによる感染性胃腸炎では嘔吐物や水様便の中に大量のノロウイルスが排出され感染源となります。処置に際しては、マスクと手袋をして塩素系の消毒剤を使用しましょう。
③ ノロウイルスの予防には加熱調理を基本として調理器具も塩素系消毒、熱湯消毒をしましょう。生ガキや生ホタテなど、生食は程々にしましょう。
④ 連日の忘年会や新年会で高脂肪食、大量飲酒が重なりますと急性膵炎を発症することがあります。特に胆石症の方は要注意です。胃の裏あたりから背中の中央部に激痛を感じたらすぐ医療機関にかかりましょう。
⑤ 年末年始に夜更かしをされ通常と違う時間帯(深夜)に食事をされますと消化不良や便秘・宿便になり、急性虫垂炎や大腸憩室症が発症しやすくなります。食事の時間帯を守りましょう。
⑥ 激辛の食べ物や高濃度のアルコ-ルにより食道・胃粘膜が連日刺激を受けますと逆流性食道炎や胃十二指腸潰瘍が発症しやすくなります。辛さや飲酒量をコントロ-ルしたり、野菜料理を先に食べるようにしましょう。

 
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