検診・健康お役立ち情報

毎日ドクタ- 健康かわら版 8月号

夏型過敏性肺炎

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■夏型過敏性肺炎とは
夏型過敏性肺炎とは締め切った室内でエアコンを多用する夏場にみられる肺炎で、痰を伴わない乾いた咳や微熱が特徴です。通常の夏風邪とは異なり、いったん軽快した後も何度も症状が再発します。

■夏型過敏性肺炎の原因
原因は細菌やウイルスではなく、アレルギ-性の炎症を引き起こす抗原を吸い込む事により発症します。抗原として最も多いものはトリコスポロンというカビが放出するカビ胞子です。トリコスポロンというカビは古くなった木材、畳、湿気の多いキッチン周り、浴槽、洗濯機の床面などに発生します。また梅雨が明けた夏場に締め切った室内で長時間エアコンを使用するとエアコン内部にも発生します。

■夏型過敏性肺炎の特徴
以下に夏型過敏性肺炎の特徴をあげます。
①4月から10月に多い。特に梅雨明けの時期に急増する。
②40歳以上の方に多い。喫煙者は症状が長引く。
③痰を伴わない乾いた咳と微熱が長引く。
④風邪薬でいったん軽快しても再発しやすい。
⑤特定の場所(自宅、職場)で症状が増悪する。
⑥長期間罹患すると肺が固くなり日常生活でも息切れ症状が出る。

■夏型過敏性肺炎の予防、対策
以下に夏型過敏性肺炎の予防、対策をあげます。
①古くなった木材や畳は取り換える。
②湿気の多いキッチン、浴槽、洗濯機の床面はこまめに掃除してカビの発生を防ぐ。
③エアコンの掃除をこまめにする。
④夏季のエアコン使用時も時々換気をする。
⑤喫煙により夏型過敏性肺炎は増悪するので1日でも早く禁煙をする。
⑥咳や微熱などの風邪症状が市販薬でいったん治っても何度も再発する時は病院で相談をする。症状が出やすい環境がないか自己チェックをする。