検診・健康お役立ち情報

毎日ドクタ- 健康かわら版 7月号

梅雨時の体調管理のポイント

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■通勤電車内 室内での軽症熱中症
梅雨時は高温多湿の環境となります。加えて満員の通勤電車内は冷房の効き方にバラつきがあるため不快な蒸し暑さとなります。私たちは発汗作用で汗をかき、その気化熱により体表温度を調節していますので高温多湿の状態では発汗作用が低下して体表温度が下がりにくくなります。梅雨時は眩暈、頭痛、立ちくらみといった軽症熱中症がよく発生します。起床後に頭痛や倦怠感を感じたり、通勤電車内で気分不快を感じた場合は軽症熱中症(自律神経失調)が疑われます。対策として普段から運動をして汗をかきやすいからだにしておくこと、ゆったり半身浴をして汗を出すこと、オフィスで座りっぱなしにならず立ったり座ったりよく動くこと、団扇や扇子で頚部を扇いでク-リングすること、こまめに水分を補給することなどが大切です。

■梅雨時の早朝は脳梗塞がおきやすい
梅雨時の不快な蒸し暑さのため冷房の効いた室内で過ごすことが多くなると、活動量が低下して血流は停滞します。血流が停滞すると血栓が発生しやすくなります。梅雨時にこまめな水分補給を怠り脱水経口になっていると、血管内で発生した血栓が脳血管に流れこみ脳梗塞を起こしやすくなります。対策としてはよく歩きこまめな水分補給をしましょう。就寝中も枕もとにペットボトルを置いて一口でも水分補給を心がけましょう。

■紫外線による慢性疲労
梅雨時から初夏にかけては紫外線量も増大します。曇りの日でも紫外線は地表に届きますので油断しないようにしましょう。紫外線はビタミンDを活性化させて骨粗鬆症を予防しますが、過度の紫外線は体の疲労、酸化、発癌性を高めます。帽子、日傘、UⅤカットの化粧品などを利用しましょう。また紫外線は眼底の網膜からも吸収されて全身疲労の原因となりますので、休日の外出にはUⅤカット仕様のサングラスなどを利用しましょう。レンズの色が濃いサングラスは瞳孔が拡大して眼底から紫外線を吸収しやすいので、うっすらと瞳が見える程度の濃さのレンズがお勧めです。

■冷たい飲み物はほどほどに
冷たい飲み物を毎日摂取していますと胃腸の消化吸収能力が低下して食欲低下、胃もたれ、軟便、下痢などをおこします。また、普段は平気な食べ物やボリュ-ムでも胃腸が健全でないと急性胃腸炎をおこすことがあります。冷たい飲み物やキンキンに冷えたビ-ルなどの飲みすぎに注意をしましょう。