検診・健康お役立ち情報

毎日ドクタ- 健康かわら版 1月号

高血圧症の予防について

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■日本高血圧学会からのアドバイス
毎年5月17日は「世界高血圧デ-」と制定されています。日本高血圧学会も5月17日を「高血圧の日」として、高血圧症の予防や治療の啓蒙・普及に努めています。
高血圧は3大死因である癌、心臓病、脳卒中の中で心臓病、脳卒中と密接に関わっています。高血圧はサイレントキラ-と言われており自覚症状に乏しく、重大な健康リスクであるという認識に乏しい方が多くみられます。日本で高血圧症の方は約4000万人おられますが定期的な通院治療をされている方は、その20%で800万人程度と考えられています。企業健診で高血圧を指摘されているにも関わらず、長年放置されている方が大変多い現状です。高血圧症について正しい知識を得て、毎年の健康診断結果から正しいフォロ-を開始していくことが健康寿命を延ばす鍵となります。

■正常血圧の基準値(2014年高血圧症ガイドラインより)
日本高血圧学会が推奨している正常血圧の基準値は以下の通りです。

至適血圧(理想血圧) 120/80未満
正常血圧 120~129/80~84
正常高値 130~139/85~89
75歳以上 140~149/89

■診察室血圧と家庭血圧
外来診療で高血圧を管理する場合、患者さんの緊張状態を考慮して診察室では高くても140/90未満を目標とします。最近は家庭での血圧測定を積極的に指導しており、家庭血圧は平均で135/85未満を目標としています。

■血圧の日内変動
血圧は起床時に高くなります。これは起床時にコ-チゾ-ルというホルモンが分泌され交感神経が目覚めてくることによります。家庭血圧を測る時は起床直後ではなく、起床後に水分を摂り少し体を動かした後、深呼吸をしてから測定しましょう。2週間の平均値も計算してみましょう。

■冬季の血圧上昇
冬季は体温の放出を防ぐため体表の毛細血管は収縮して血圧が高くなることがあります。マフラ-や手袋で保温に努め、体操や散歩などをして血行を良くしましょう。