検診・健康お役立ち情報

毎日ドクタ- 健康かわら版 11月号

健康診断で最も多い脂質代謝異常に注意しましょう

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■脂質代謝異常とは
脂質代謝とは毎日の食事で摂取するコレステロ-ルや中性脂肪のバランスをいいます。
コレステロ-ルは細胞を構成する材料になったり、ホルモンを作る材料になったりします。中性脂肪は細胞が活動するエネルギ-源となります。

■正常値(mg/dl)
総コレステロ-ル:120~219mg/㎗  中性脂肪:30~149mg/㎗
善玉(HDL)コレステロール:男性40~85mg/㎗ 女性40~95mg/㎗
悪玉(LDL)コレステロ-ル:65~119mg/㎗

■健康診断における傾向
最近は脂質代謝異常の方が急増しており、体重の増加とともに総コレステロ-ル、悪玉コレステロ-ル、中性脂肪の上昇が目立ちます。
悪玉コレステロ-ルの上昇は血管内空に脂の塊であるプラ-クを蓄積させ、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞をひき起こします。
中性脂肪の上昇は内臓・皮下脂肪を増大させて、肝臓機能障害や糖尿病を誘発します。

■脂質代謝異常の対策
①卵料理をひかえましょう。鶏卵は2日に1個を目安としましょう。
②魚卵の食べ過ぎに注意しましょう。子持ちシシャモ、たらこ、イクラ、スルメはコレステロ-ル含有量が多いのでひかえめにしましょう。
③魚や鶏肉を中心に献立をつくり、牛豚のバラ肉、ロ-ス、カルビは少量にしましょう。鳥皮はコレステロ-ル含有量が多いのでひかえめにしましょう。
④緑黄色野菜(トマト、ブロッコリ-、ニンジン、レタス、ピ-マン)や繊維質の多い野菜(アスパラ、ゴ-ヤ、ごぼう、ふき、レンコン)などを先に食べましょう。
⑤飲酒により肝臓で中性脂肪が合成されます。飲酒量は年々減らしていきましょう。
⑥ピ-ナッツ、ア-モンド、落花生、胡麻などは中性脂肪を上昇させます。摂取量を調整しましょう。
⑦朝食はしっかり食べて夕食のボリュ-ムを80%位に減らしましょう。
⑧早食い、ドカ食いは脂質代謝異常と糖代謝異常をまねきます。注意しましょう。
⑨毎日よく歩くようにして消費カロリ-を増やしましょう。
⑩週3回30分程の運動をしましょう。