検診・健康お役立ち情報

毎日ドクタ- 健康かわら版 10月号

健康維持の秘訣は血管年齢にあり

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■血管年齢とは
私たちの体は常に新陳代謝を繰り返しており、加齢現象も常に進行しています。
血管年齢は血管の硬さ(CAVI)、血管内空のつまり具合(ABI)から判定します。実年齢と比較することにより加齢現象の進行状態を把握することができます。加齢とともに動脈硬化は進みますが、実年齢よりも血管年齢を5歳から10歳若く保つことが健康維持の秘訣となります。

■血管年齢が実年齢よりも上回る原因
加齢による動脈硬化は避けられない現象ですが、動脈硬化に拍車がかかり血管年齢が実年齢より先行しますと高血圧症、心筋梗塞、脳卒中の危険が格段に高まります。血管年齢が実年齢よりも先行する原因としては

①喫煙
②過度の飲酒
③濃い味付け、塩分の摂りすぎ
④コレステロ-ル(悪玉コレステロ-ル)の上昇
⑤運動不足
⑥肥満、体重増加
⑦高血圧状態の放置
⑧糖尿病予備軍、糖尿病の放置

などがあげられます。毎年の健康診断でチェックをして、内科主治医、産業医、管理栄養士などと相談の上、適切なアドバイスのもとにリスクを減らしていく努力をしましょう。

■血管年齢の測定方法
血管年齢は高血圧症や脂質代謝異常(高コレステロ-ル血症)の疑いがある方は、保険診療で検査を受けることができます。企業健診では検査項目として採用されていないことが多いのでオプション項目として検討されるとよいでしょう。血管年齢は、身長、体重、血圧、心電図の基本デ-タをもとに、両上腕と両下腿に装着するセンサ-から血流速度を検査して判定します。
血管の硬さ(CAVI)が実年齢よりも先行している場合は薄味、塩分制限を心がけてよく歩くようにしましょう。血管内空のつまり具合(ABI)が実年齢よりも先行している場合は悪玉コレステロ-ルの正常化が重要となります。