医療トピックス トピックス
毎日ドクタ- 健康かわら版 7月号 2017.06.26
一般財団法人 毎日ドクター

熱中症対策をしましょう

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■熱中症のメカニズム
熱中症は急に気温が上昇する6月から湿度の高い梅雨時の7月、そして炎天下の8月や残暑の9月によく発症します。今年は梅雨入り後に乾燥した晴天が続いていましたが、6月下旬より湿度が上がってきました。湿度が上昇すると発汗による体表温度のコントロ-ルが難しくなります。屋外だけではなくイベント会場、通勤電車など人が密集していて風通しが悪い環境は要注意です。その本態は血管の緊張や発汗作用をコントロ-ルする自律神経の失調、大量発汗による脱水症状、さらには脳の体温調節機能の失調と多岐にわたります。

■熱中症の症状
軽症: 高温、多湿、無風の不快な環境により血管の緊張が不良となり、立ちくらみ、めまい、頭痛がおきます。また、長時間同じ姿勢をとることにより手足の末梢循環が悪くなり、筋肉が硬くなったり、しびれを感じたりします。

中等症:水分摂取不足により脱水症状がおこり、脱力、握力低下、頻脈、血圧低下、けいれん、失神などがみられます。

重症: 脳の視床下部にある体温調節中枢が機能しなくなり、40度以上の発熱、昏睡ショック症状をおこします。

■熱中症対策
①気温や湿度の上昇に徐々に慣れていくために、涼しい時間帯や地下街などを利用して15分程、余分に歩きましょう。ストレッチや軽めのダンベルなども有効です。発汗をおこなう汗腺の代謝が良くなると汗の出やすい体になり、気化熱により体表温度が下がり快適に過ごせるようになります。

②口渇を感じる前に、こまめな水分補給をしましょう。

③仕事中は風通しを良くして、長時間同じ姿勢で仕事をしないように工夫しましょう。

④帽子や日傘で直射日光を避けて、首回りや脇の通気性の良い服装をしましょう。

⑤大量に発汗した時はスポ-ツドリンクを利用しましょう。適度な塩分も有効です。

■熱中症の緊急応急処置
軽症、中等症の場合は首回り、衣服をゆるめて涼しい所で横になり、水分、スポ-ツドリンク、塩分補給をしましょう。けいれん、頻脈、握力低下、ふわふわする場合は病院で点滴治療が必要です。医療機関を受診しましょう。

重症の場合は40度以上の発熱、昏睡、ショック症状をおこしているため直ちに救急車を手配します。救急車の到着までは首回り、衣服をゆるめて涼しい所に寝かせて額、首回り(頸部)、脇、股間(ソケイ部)をアイスパックや冷水で冷やして待機しましょう。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 6月号 2017.06.01
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夏こそ梅干 梅干の健康パワーを科学する!

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

★梅干の歴史
梅の木は大和朝廷時代に中国から伝わりました。最初は梅の実を燻製にして漢方薬として使用していました。鎌倉時代になると武士の携帯食として利用されるようになりました。今日のように食卓に上るようになったのは江戸時代になってからといわれています。江戸時代には「朝一粒の梅干は、その日の難のがれ」ということわざがあり、朝食の際に梅干を食べることにより、疲労回復や食あたりの予防を期待したそうです。また、旅人が道中の体調管理のために梅干を食べていたことも知られています。

★梅干の健康パワーの秘密
①梅干の主成分で酸っぱさの源であるクエン酸は、体の疲労物質をすばやく代謝して夏バテを予防する効果があります。また細胞の新陳代謝を高めて免疫力を高める効果もあります。

②梅干の主成分のクエン酸は強力な殺菌作用があり、食品の腐敗を防ぎ、夏場の食中毒の予防に効果があります。梅干が具のおにぎりと肉、魚、マヨネ-ズが具のおにぎりを夏の車中で6時間放置した場合、梅干しが具の場合は食中毒菌の繁殖は心配のないレベルですが肉、魚、マヨネ-ズが具の方は大量の食中毒菌が発生しています。日の丸弁当は食中毒の予防を目的とした先人達のすばらしい知恵です。また梅リグナンという物質は胃がんのリスクと考えられるピロリ菌を減弱させる効果が知られています。

③梅干は酸っぱい食べ物であるという経験から、私たちは梅干を見ただけで条件反射がおこり唾液が出てきます。唾液が多く出ることは食事の消化に大変役立ち、夏場の食欲低下を改善してくれます。また胃と腸が連動して働く健胃効果も上がります。

④梅干に含まれている塩分は熱中症の予防に効果があります。熱中症の予防には、こまめな水分補給と適度の塩分補給が大切です。一日一粒の梅干は、まさにその日の難のがれ、熱中症対策に最適といえます。

★梅干と調味梅干(減塩梅干)
梅干の塩分量は9%以上あります。それに対して調味梅干(減塩梅干)は塩分量が4%~7%となっています。血圧が高めで内服治療中の方や塩分を控えておられる方は、主治医とよくご相談された上で、調味梅干(減塩梅干)の中粒で一日一粒を目安とされるとよいでしょう。最近では梅干のふりかけや海苔の替わりに巻く梅シートのような商品も開発されています。梅干を上手に食べて、この夏を乗り切りましょう

 
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