検診・健康お役立ち情報

毎日ドクター 健康かわら版 8月号

― 夏バテを予防する食材(成分) ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

暑中お見舞い申しあげます。今回は夏バテを予防する食材、薬味をご紹介します。

☆1 豚肉、枝豆、鰻などに含まれるビタミンB1は糖質をエネルギ-に変換する作用があり、エネルギ-代謝を増大させ新陳代謝を促進させ疲労回復に役立ちます。

☆2 ニンニク、ニラ、ネギなどに含まれるアリシンは薬味として上手に利用することによりビタミンB1の吸収率を高めます。また抗酸化作用や血栓予防効果、殺菌作用も認められます。

☆3 モズク、メカブなどに含まれるヌルヌル成分のフコダインやオクラに含まれるネバネバ成分のムチンは胃粘膜を修復して胃もたれを予防します。

☆4 梅干し、酢などに含まれるクエン酸は肝臓のクエン酸回路を円滑にして、エネルギ-代謝促進や疲労物質分解を促進します。また唾液の分泌や消化酵素の分泌を促進したり、食中毒を予防する殺菌効果があります。

☆5 唐辛子等に含まれるカプサイシンは中枢神経を刺激して発汗作用や新陳代謝を高めます。また胃酸の分泌を促進して消化管の蠕動運動を亢進させます。

☆6 貝、チーズなどに含まれる亜鉛は夏バテにより偏食傾向になると欠乏する微量ミネラルです。亜鉛が欠乏すると味覚障害がおこり、何を食べても美味しく感じなくなります。症状がみられる時は耳鼻科受診をおすすめいたします。

☆7 トマト、スイカなどに含まれるリコピンは夏の紫外線により皮膚に大量に発生する活性酸素を除去する効果があり、皮膚のトラブルを予防します。活性酸素は細胞の老化を早めガンの発症リスクを高めます。

☆8 ニンジン、赤ピ-マンなどの緑黄色野菜に含まれるカロテンは強力な抗酸化作用により細胞の加齢現象を予防します。

☆9 茗荷に含まれる香り成分のアルファピネンは自律神経を整えて、消化運動を促進します。