検診・健康お役立ち情報

毎日ドクタ- 健康かわら版 5月号

紫外線の健康被害について

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■紫外線とオゾンホ-ルについて
紫外線とは地球に到達する太陽光線のうち、波長が短くエネルギ-の高い不可視光線のことです。
太陽光線は波長の短いものから紫外線、可視光線、赤外線に分類されます。紫外線にはA波、B波、C波がありオゾン層を通過して地上にとどくのはA波とB波です(A波が99%)。
化学物質のフロンやハロンが大量に大気中に排出されますと一酸化窒素や塩素によりオゾン層の破壊がすすみ、オゾンホ-ルが形成されます。オゾンホ-ルが拡大しますと地上にとどく紫外線量は増大して皮膚がん、白内障のリスクが上昇します。地上に到達する紫外線量が10%増大しますと皮膚がんの発症は女性で16%、男性で19%上昇すると報告されています。

■紫外線の健康被害について
紫外線A波は表皮を通過して真皮まで到達して肌を黒くさせるサンタン現象をひき起こします。大量に浴びると真皮のコラ-ゲンを破壊して皮膚の老化をすすめます。また真皮のDNAを破壊して皮膚がんの発症リスクを高めます。
紫外線B波は真皮までは到達しませんがエネルギ-量が高いのでA波より有害です。表皮において肌を赤くするサンバ-ン現象をおこします。大量に浴びると皮膚がんや白内障の発症リスクが高まります。

■紫外線の健康効果
適量の紫外線は細胞の新陳代謝を良好にします。
またビタミンDを活性化させ骨粗鬆症を予防します。1日30分から1時間程度の散歩が至適紫外線量です。

■紫外線量について
年間の紫外線量を比較すると4月頃から上昇して7月~8月がピ-クとなります。天候との関係では薄曇りの日は晴天の日と殆ど変わらない紫外線量となりますので注意しましょう。
反射による紫外線量増大は、雪原>海面>アスファルト>芝生の順となります。

■紫外線対策について
天気予報の紫外線情報を参考にして帽子、日傘、UVカットサングラス、長袖シャツ、日焼け止めクリ-ムなどを利用して紫外線対策をしましょう。