医療トピックス トピックス
毎日ドクタ- 健康かわら版 4月 2020.03.31
一般財団法人 毎日ドクター

毎日ドクタ- 健康かわら版 4月

― 新型コロナウイルス感染症の現状と今後の注意について ―

毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■新型コロナウイルス感染症の現状

①国内の新型コロナウイルス感染症は大都市圏を中心に感染拡大が続いており全国で1日40人前後の感染者が発生しています。大半は感染経路につながりがある集団感染(クラスタ-)ですが、3月上旬からは感染経路が追跡できない市中感染が増加してきました。

②国内と海外の感染者数を比較すると、国内では辛うじて爆発的感染拡大(オ-バ-シュ-ト)は食い止められている状態ですが今後大規模なイベントの再開や海外(ヨ-ロッパをはじめ全世界)からの帰国者、渡航者により国内でも爆発的感染拡大(オ-バ-シュ-ト)の発生が懸念されます。拙速な自粛緩和は非常に危険です。

 

■今後の注意
①感染予防対策が長期間に及ぶと様々な規制によりメンタル面に疲労が蓄積して、時には他人を批難するような過敏な考え方をすることもあります。新型コロナウイルスの終息には今後も数ヶ月以上を要すると予想されますので、まずは長丁場に耐えられるように、あまり神経質にならず時々息抜きをしながら、大事なことは継続していきましょう。

②継続的に手洗い・手指消毒、嗽をこまめにおこないましょう。

③可能な範囲で時差出勤、テレワ-クを活用して人混みを避けましょう。

④換気の悪い環境で大勢の人が至近距離で会話をすると感染リスクが高くなります。会議は最小人数、最短時間で換気に注意してマスクを着用しておこなってください。

⑤至近距離で会話をする時や人混み・混雑した乗り物の中ではマスクを着用しましょう。

⑥PCR検査は開業医や一般病院では今後も検査できません。5度以上の発熱や激しい咳が5日以上続いた場合は(高齢者、持病のある方は2日以上)帰国者・接触者相談センタ-に電話をしてください。治療薬は急ピッチで臨床試験中です。

⑦今後は無症状感染者や発熱が37度前後の軽症感染者が増加します。誰もが知らない間に新型コロナウイルスに感染していることもあります。感染拡大、重症化させないために過労を控えてバランスの良い食事を摂り睡眠を十分確保しましょう。少しでも微熱、体調不良がある場合は決して無理をせず自宅で経過観察をしましょう。出張、旅行、イベント参加、高齢者との接触は控えましょう。

⑧自宅で体操やストレッチをして体を動かしましょう。近所の公園を散歩してリフレッシュをしましょう。

 
毎日ドクター 健康かわら版 3月号 2020.03.03
一般財団法人 毎日ドクター

毎日ドクタ- 健康かわら版 3月

― 新型コロナウイルス感染症対策 ―

毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■新型コロナウイルス感染症の現状
2月27日現在、新型コロナウイルス感染症は明確な感染経路が追跡できない症例が増大しており感染拡大期早期となっています。この先1カ月の対応が感染拡大期を遅らせピ-ク曲線を最小に留めることができるかの重要なポイントになります。最大限の感染予防策、先手先手の感染予防策をおこなってください。感染状況は日々変化します。最新情報に注意してください。

 

■新型コロナウイルス感染症の予防策
①発熱、風邪症状、咳がみられる場合は出勤せず自宅で療養してください。
②発熱37.5度以上、風邪症状、咳、息苦しさ、強いだるさが4日以上続いた場合は至急、帰国者・接触者相談センタ-(各地域の保健所) へ電話をしてください。
③家族や同居人の体調変化にも注意してください。家族に発熱や体調不良の方がいる場合は出勤せず経過観察をしてください。
④速乾性アルコ-ルによる手指の消毒、手洗い、嗽をこまめにしてください。
⑤人混みを避けて不要不急の会議、出張は中止してください。
⑥どうしても会議が必要な場合は最小人数、最短時間でマスクをつけてください。扉を開放して換気をしてください。
⑦手が届く至近距離で長時間の面談は避けてください。
⑧今後は無症状感染者や自覚症状がない軽症感染者が増大します。屋内・屋外イベントや食事会はここ1カ月程可能な限り自粛してください。飲酒は免疫力低下を招きます。節酒を心がけてください。
⑨無症状感染者でも稀に強い感染力を持っている症例があります。侵入ウイルスを最小限に留めるため、手洗い、嗽、人ごみを避ける、換気が重要です。
⑩侵入ウイルスが少なければ仮に感染しても無症状で軽快する事例が多数あります。免疫力を落とさないように十分な睡眠と食事をとってください。
⑪眼鏡や腕時計は帰宅時に一度、石鹸で洗ってください。頭髪にもウイルスは付着しています。就業中は髪の毛を触らないようにして帰宅後に必ず洗髪してください。
⑫エチケットマスク、車内の換気(エチケット換気)をこころがけましょう。

 
毎日ドクター 健康かわら版 2月号 2020.01.30
一般財団法人 毎日ドクター

毎日ドクタ- 健康かわら版 2月

― 2020年 花粉症情報 ―

毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■スギ花粉の飛散開始時期は
日本気象協会の1月22日付発表では2020年のスギ花粉の飛散開始時期はおおむね例年並みかやや早くなりそうです。東京では2月10日頃から、名古屋では2月21日頃から飛散開始が予想されます。

 

■スギ・ヒノキ花粉の飛散ピ-ク予想
スギ花粉の飛散ピ-クは名古屋では3月上旬から中旬で例年より早くなりそうです。
ヒノキ花粉の飛散ピ-クは名古屋では4月上旬から中旬と予想されています。

 

■スギ・ヒノキ花粉の飛散量は
スギ・ヒノキ花粉の飛散量は昨年夏の気象に影響されます。名古屋では昨年夏は気温が高かったものの降水量は多く日照時間は少なかったため、今年のスギ・ヒノキ花粉の
飛散量は例年の70%、昨年の40%と予想されています。花粉の飛散量は、雨の降った翌日で気温が上昇した日や風の強い日に増加します。また1日の中では午前10時から午後4時の時間帯で多くなります。

 

■花粉症の症状
花粉症はアレルゲンとなる大気中のスギ・ヒノキ花粉に対する鼻粘膜、咽頭粘膜、眼球周囲粘膜の過敏な免疫反応です。スギ・ヒノキ花粉を対外に排出するために免疫が過敏に誤作動をおこして鼻水、くしゃみ、鼻詰まり、痒みが発生します。

 

■花粉症対策
①室内に侵入する花粉を最小限にしましょう。髪や衣服をはたいて花粉を落としましょう。
②体内に侵入する花粉を最小限にしましょう。ゴ-グルやマスクを利用しましょう。
④室内の花粉を減らしましょう。空気清浄器を利用しましょう。
⑤免疫の誤作動が増大しないように過労、大量飲酒に注意して睡眠をとりましょう。

 

■花粉症の治療
花粉飛散開始時期の1週間前から市販の坑ヒスタミン剤を試され、改善しない場合は耳鼻咽喉科、眼科、内科を早目に受診しましょう。内服後に比較的眠気が少なく自動車運転についての注意喚起記載がない薬も数種類あります。2015年から保険診療が可能となった舌下免疫療法は花粉飛散時期の3ヶ月前から開始が必要ですので今年の対策としては間に合いません。2021年にむけてアレルギ-科専門医とご相談してください。

 
毎日ドクター 健康かわら版 1月号 2020.01.06
一般財団法人 毎日ドクター

毎日ドクタ- 健康かわら版 1月

―アディポネクチン(健康長寿ホルモン)とは―

毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■アディポネクチンとは
アディポネクチンは脂肪細胞で産生・分泌されるホルモンです。100歳以上の健康な高齢者やBMIが正常範囲で血圧、血糖値が正常の方では血中アディポネクチンが高いことが判明しています。故にアディポネクチンは健康長寿ホルモンと呼ばれています。このアディポネクチンは脂肪細胞から産生・分泌されるホルモンですが肥満傾向で体脂肪や内臓脂肪が増えると逆相関関係となり産生・分泌量は減少します。

 

■アディポネクチンの作用は
①インスリン抵抗性の改善、2型糖尿病の予防
血糖値を安定させるインスリンに対する組織の抵抗性を改善し、血糖を筋肉に取り込み、エネルギ-として燃焼しやすくすると推測されていて2型糖尿病を予防します。2型糖尿病の方はアディポネクチンが低値であることが知られています。
②動脈硬化の予防、血管年齢の進行抑制
動脈硬化は過剰な悪玉コレステロ-ルが血管内皮細胞に沈着した後、白血球のひとつで
ある単球が攻撃することにより、プラ-クの形成や平滑筋細胞の増殖をおこして発症し
ます。アディポネクチンは単球の攻撃抑制、平滑筋細胞の増殖抑制効果があると考えら
れています。アディポネクチンが正常の方は動脈硬化、血管年齢の進行が予防されます。
高血圧症、冠動脈疾患(心筋梗塞)の方はアディポネクチンが低値であることが知られて
います。

 

■臨床的応用は
アディポネクチンは採血検査により測定します。保険診療では認められていませんので健康診断や人間ドックの採血時にオプションとして追加検査が可能です。正常値は5~10μg/dlです。糖尿病、動脈硬化、高血圧症、冠動脈疾患(心筋梗塞)の発症リスクとしてまた健康長寿の指標として有用です。定期的に採血して推移をみましょう。

 

■アディポネクチンが低値の場合は
アディポネクチンが低値の場合は2型糖尿病、動脈硬化、高血圧、虚血性心疾患(心筋梗塞)のリスクが上がります。糖尿病の精密検査であるHbA1cの値、血圧、心電図、血管年齢を調べる脈波検査、悪玉コレステロ-ルの値をチェックしましょう。複数の異常所見がみられる場合は危険です。主治医を決めてアディポネクチンを増やす食事療法や運動療法、2型糖尿病、高血圧、脂質代謝などの内服治療を開始しましょう。

 
毎日ドクター 健康かわら版 12月号 2019.11.26
一般財団法人 毎日ドクター

毎日ドクタ- 健康かわら版 12月

―2019年度 インフルエンザ情報 ―

毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■インフルエンザの特徴
インフルエンザは通常の風邪ウイルスとは異なり感染力が非常に強いため、免疫力が弱い学童から流行が始まり学級単位で感染拡大をおこします。大人では家庭内感染、通勤中の感染、職場内感染などにより罹患して事業所・部署単位での感染拡大につながっていきます。典型的な症状は、感染後1~2日で発熱(37度~39度)、全身の筋肉痛、倦怠感、吐き気、下痢、食欲低下、脱水症などがみられますが、感染ウイルスが少量の場合は微熱、倦怠感など通常の風邪症状と区別がつかない場合もあります。『いつもと何か違う』という自覚症状がみられる時は早めに医療機関を受診しましょう。乳幼児では脳炎の合併、高齢者では肺炎の合併も心配されます。本年は11月中旬より流行期に入っており12月中旬ごろには感染拡大期に入る予想です。

 

■インフルエンザの予防接種
日本のインフルエンザ予防接種実施率は30%台後半で欧米の50%台と比較すると低率となっています。特に非就労者の予防接種実施率が低率です。インフルエンザは集団感染、集団発症、重症化する危険がありますので是非、予防接種を実施しましょう。本年のインフルエンザワクチンは、インフルエンザA型株2種類とインフルエンザB型株2種類から製造しておりインフルエンザ発症の予防効果が期待できます。

 

■予防接種のポイント
①医療機関では10月中旬からインフルエンザの予防接種を実施しています。
②本年流行すると想定されるインフルエンザウイルスに対応したワクチンです。
③大人は予防接種1回で十分効果があります。
④予防接種後10日~2週間で免疫を獲得し、約4か月持続します。
⑤予防接種実施にあたっては十分な問診と体温測定をいたします。当日に体調不良や
37.5度以上の発熱がみられると延期になる場合があります。

 

■インフルエンザの感染を予防しましょう!
①流行期には手洗いとうがいをこまめにしましょう。
②通勤や人ごみの中ではマスクをしましょう。
③加湿によりインフルエンザウイルスの飛散が弱まります。加湿器を使いましょう。
④インフルエンザの予防接種を毎年実施しましょう。
⑤免疫力を落とさないために充分な睡眠とバランスの良い食事を摂りましょう。
⑥残業や休日出勤はひかえて体力を維持しましょう。
⑦体調不良を感じたら体温を測り、医療機関を受診しましょう。

 
毎日ドクター 健康かわら版 11月号 2019.10.31
一般財団法人 毎日ドクター

毎日ドクタ- 健康かわら版 11月

毎日ドクタ-理事長 山田正樹

― 最新版 喫煙による健康障害! 『それでもまだ吸いますか?』 ―

■タバコの煙に含まれる3大有害物質!

【有害物質その1 タ-ル】タ-ルはタバコの煙粒子の総称で俗に「ヤニ」と呼ばれる部分です。ベンツピレン、ナフチルアミン、ニトロソアミンなど60種類以上の発がん物質を含んでいます。喫煙により発症リスクが上昇する「たばこ関連がん」には肺がん以外にも、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、膀胱がん、子宮がんがあげられています。
【有害物質その2 ニコチン】ニコチンは脳内神経細胞に取り込まれてド-パミンやβエンドルフィンを放出させます。この現象が高揚感を生み出すことになりますが、ニコチンは喫煙後5分で血中濃度がピ-クとなり2時間で半減します。このため強烈なニコチン依存症が発生するわけです。またニコチンはアドレナリン分泌を高めるため血管収縮、血圧上昇、心拍増加を引き起こします。タバコを1本でも吸ったら、その瞬間に心筋梗塞発症の危険が増大します。
【有害物質その3 一酸化炭素】タバコに着火して喫煙を始めると不完全燃焼したガスを吸入します。このガスの中には一酸化炭素が含まれています。一酸化炭素は酸素を運搬するヘモグロビンに結合するため全身の組織で酸素不足が発生します。息切れ、慢性気管支炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、加齢現象促進が引き起こされます。

 

■主流煙より危険な副流煙による受動喫煙! 呼気煙 3次喫煙(残留受動喫煙)とは

タバコのフィルタ-を通して吸い込む主流煙に比べて燃焼しているたばこの先端から発生する
副流煙には高濃度の有害物質が含まれています。タバコの煙が見えなくなった後も有害物質の拡散は広範囲に及んでおり、風速2mの屋外ではテニスコ-ト1面~2面分拡散しています。
非喫煙者の副流煙による受動喫煙防止対策は完璧にはなされていません。また喫煙者の呼気には喫煙後数分は有害物質が呼出されています。喫煙者の髪、洋服からも有害物質は少しずつ揮発しており非喫煙者への3次喫煙(残留受動喫煙)も問題となっています。

 

■2018年度の喫煙率

2018年度の喫煙率は成人男性27.8%、成人女性8.7%です。年齢別では20歳代男性23.3%
女性6.6%で年齢とともに上昇して40歳代男性35.5% 女性13.6%となり、その後低下して
60歳代男性21.3% 女性5.4%となっています。最近、加熱式・電子タバコは有害物質が少ないと宣伝していますが加熱式・電子タバコは有害物質がゼロではなく、未知の物質を吸入することになり予測不能な健康リスクをはらんでいます。

 

■科学的に禁煙チャレンジ

数十年前の禁煙対策はニコチンガム、パッチによる代替え療法でしたが、現在は保健診療適応
による禁煙外来が確立されています(禁煙外来の利用には若干の条件があります)。ニコチンが脳細胞に取り込まれる受容体をブロックしてニコチン依存性を根本的に防止するバレニクリンという内服薬を使用します。1日でも早く科学的に節煙ではなく完全禁煙をしましょう!!

 
毎日ドクター 健康かわら版 10月号 2019.10.01
一般財団法人 毎日ドクター

毎日ドクタ- 健康かわら版 10月

毎日ドクタ-理事長 山田正樹

― とっても怖い 歯周病 ―

■歯周病とは

歯周病とは歯肉(歯ぐき)、歯根膜(歯の根っこ)、セメント質(歯の構成成分)、歯槽骨(土台)で構成される歯周組織が口腔内の細菌感染により破壊されて慢性炎症が起きている状態を言います。歯周組織に炎症が起きると歯と歯肉の隙間が大きくなり、徐々に溝が深くなり、いわゆる歯周ポケットか形成されます。適切な治療がなされず慢性化すると大切な歯を失うことにもなります。

 

■歯周病と認知症の関係

最近の研究で歯周病と認知症発症に深い関連があることが分ってきました。認知症は脳の中心部にある扁桃核や海馬の神経細胞が変性壊死することにより、記憶障害や見当識障害、実行機能障害などがみられる病気です。現在、歯周病を引き起こす細菌は200~300種類ほど知られていますが、最も多い原因となる細菌はポルフィロモナス・ジンジバリス菌(pg菌)です。最近の研究ではアルツハイマ-型認知症で亡くなった方の脳細胞(扁桃核、海馬)からポルフィロモナス・ジンジバリス菌(pg菌)が発見された事例がありました。また動物実験ではポルフィロモナス・ジンジバリス菌(pg菌)が持つLPS毒素をマウスに持続的に注入すると、アルツハイマ-型認知症を引き起こす有害タンパク質であるアミロイドベ-タ-(Aβ)がマウスの脳細胞で増殖するという報告もありました。歯周病が必ず認知症を引き起こす訳ではありませんが、歯周病による慢性炎症は認知症発症の一つのリスクとして今後も研究が進んでいくと考えられます。

 

■歯周病と糖尿病の関係

歯周病による慢性炎症を放置すると血液中に炎症性サイトカインという物質が増えます。この炎症性サイトカインは膵臓から分泌され血糖値をコントロ-ルするインスリンの働きを阻害します。血糖値が下がらず高血糖の状態が続くと今度は全身の血管に炎症がおこり、炎症性サイトカインがさらに増量して、益々インスリンの作用が阻害されるという負の連鎖を起こします。歯周病の治療をすることにより糖尿病の改善がみられることが判明しています。

 

■歯周病の予防、治療

歯周病は予防が大切です。時間をかけた丁寧な歯磨きを習慣づけましょう。口腔内洗浄液による嗽もこまめに行いましょう。定期的な歯科健診、歯垢除去も行いましょう。歯周病が見つかったら歯科で適切な治療を継続しましょう。

 
毎日ドクター 健康かわら版 9月号 2019.08.29
一般財団法人 毎日ドクター

― 冷房病(エアコン病)に注意しましょう ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■冷房病(エアコン病)とは

夏季に冷房を使用し過ぎて体温調節機能を掌る自律神経に失調をきたした状態を総称して冷房病(エアコン病)といいます。自律神経の働きは人体の生命維持に必須で我々が様々な環境に適応できるように働いています。暑い環境下では血管を拡張させて放熱をおこない体表温度を下げようとします。逆に寒い環境下では血管を収縮させて熱を逃がさないようにして体表温度の低下を防ぎます。ところが暑い屋外と冷房の効いた屋内を頻繁に出入りしたり、冷房の効いた屋内に長時間滞在し続けると自律神経の働きに失調をきたすようになり冷房病(エアコン病)といわれる様々な症状が出現してきます。

■冷房病(エアコン病)の症状

①頭痛
発熱を伴わない頭部全体の頭痛が多く見られます。長時間冷房の効いたオフィスで仕事をしていると頭部の血管が収縮して血管周囲の神経が刺激を受けて頭痛が発症します。

②手足の冷感
長時間冷房の効いた環境に居ると手足の末梢血管が収縮して血行が悪くなります。またデスクワ-クで座位が続くと更に手足の血行が悪くなり手足の冷感が強くなります。

③倦怠感
暑い屋外から冷房の効いた屋内に入ると冷風のあたる露出した体表面(顔面、頚部、手足)の血管が収縮して次に体幹(衣服の下)の血管が収縮してきます。この血管収縮の時間差により全身の血行動態がアンバランスとなり倦怠感が出現します。また屋外と屋内の出入りを頻繁におこなうと血管の収縮と拡張のリズムが乱れて倦怠感が増大します。

④吐き気 食欲不振 下痢
長時間冷房の効いた環境に居て、自律神経により血管が収縮した状態になると胃腸の血流も低下して消化機能や蠕動機能が悪くなります。また冷たい飲み物や食べ物は胃腸粘膜の血流低下をおこし消化器症状に拍車がかかります。

■冷房病(エアコン病)の予防 対策

冷房の効いた屋内では薄手の上着、ひざ掛けが有効です。冷風が直接あたらないように工夫しましょう。長時間の座位は避けて時々足踏みや体操をして血流改善をしましょう。冷たい飲み物や食べ物は控えましょう。入浴して発汗作用を刺激すると自律神経失調が改善します。就寝中のエアコンは設定温度に注意しましょう。靴下を履いて寝ると末梢血管の収縮が予防されて冷房病(エアコン病)の軽減に効果があります。

 
毎日ドクター 健康かわら版 8月号 2019.08.02
一般財団法人 毎日ドクター

― 夏バテを予防する食材(成分) ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

暑中お見舞い申しあげます。今回は夏バテを予防する食材、薬味をご紹介します。

☆1 豚肉、枝豆、鰻などに含まれるビタミンB1は糖質をエネルギ-に変換する作用があり、エネルギ-代謝を増大させ新陳代謝を促進させ疲労回復に役立ちます。

☆2 ニンニク、ニラ、ネギなどに含まれるアリシンは薬味として上手に利用することによりビタミンB1の吸収率を高めます。また抗酸化作用や血栓予防効果、殺菌作用も認められます。

☆3 モズク、メカブなどに含まれるヌルヌル成分のフコダインやオクラに含まれるネバネバ成分のムチンは胃粘膜を修復して胃もたれを予防します。

☆4 梅干し、酢などに含まれるクエン酸は肝臓のクエン酸回路を円滑にして、エネルギ-代謝促進や疲労物質分解を促進します。また唾液の分泌や消化酵素の分泌を促進したり、食中毒を予防する殺菌効果があります。

☆5 唐辛子等に含まれるカプサイシンは中枢神経を刺激して発汗作用や新陳代謝を高めます。また胃酸の分泌を促進して消化管の蠕動運動を亢進させます。

☆6 貝、チーズなどに含まれる亜鉛は夏バテにより偏食傾向になると欠乏する微量ミネラルです。亜鉛が欠乏すると味覚障害がおこり、何を食べても美味しく感じなくなります。症状がみられる時は耳鼻科受診をおすすめいたします。

☆7 トマト、スイカなどに含まれるリコピンは夏の紫外線により皮膚に大量に発生する活性酸素を除去する効果があり、皮膚のトラブルを予防します。活性酸素は細胞の老化を早めガンの発症リスクを高めます。

☆8 ニンジン、赤ピ-マンなどの緑黄色野菜に含まれるカロテンは強力な抗酸化作用により細胞の加齢現象を予防します。

☆9 茗荷に含まれる香り成分のアルファピネンは自律神経を整えて、消化運動を促進します。

 
毎日ドクター 健康かわら版 7月号 2019.06.28
一般財団法人 毎日ドクター

― 食中毒を予防しましょう ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

食中毒発生の状況

高温多湿の夏は食中毒が増大します。食中毒は毎年2000件以上発生しており患者数は3万人~5万人にのぼります。
細菌性、ウイルス性、自然毒性などに分類されますが夏は細菌性食中毒が急増します。発生場所は飲食店(60%)、家庭(15%)、ホテル・旅館(7%)、仕出し屋(6%)、学校(2%)、その他(10%)となっています。

代表的な細菌性食中毒の特徴

①カンピロバクタ-菌
細菌性食中毒の中で最も多く発生しています。牛、豚、鳥などの腸管に感染しています。低温、湿潤の環境下で長生きしますので冷蔵庫の過信は禁物です。加熱調理には弱い菌です。潜伏期が2日~5日と長いので原因となる食べ物の特定は中々困難です。腹痛、下痢、発熱、頭痛がみられます。

②腸管出血性大腸菌 O群‐157
牛の腸に生息している細菌です。加熱調理を原則として肉、内臓の生食はやめましょう。感染すると2日前後で激しい腹痛、下痢、血便がおこります。重症型の食中毒となり乳幼児や高齢者では死亡例もみられます。

③サルモネラ菌
鶏卵、鶏肉から発生します。家庭での食品保存、消費期限を守ることが大切です。

④腸炎ビブリオ
夏季の魚介類から発生します。調理器具から他の食品に感染することもありますので魚用、肉用、野菜用と調理器具を使い分けることも有効です。

⑤黄色ブドウ球菌
おにぎり、寿司、おつくりなどから発生します。調理人の指に付着している細菌が食品に移行して食品表面で増殖、毒素を産生します。潜伏期間は1時間~5時間と短く、耐熱性毒素のため加熱調理では予防できません。調理人の徹底した手洗いが大切です。

■食中毒予防の3原則

①食中毒菌を付けない!
入念な手洗い、調理器具の洗浄と使い分けが大切。漂白除菌を徹底すること。

②食中毒菌を増やさない!
食材購入後は速やかに帰宅して冷蔵庫に収納。また冷蔵庫に詰め込み過ぎないこと。

③食中毒菌をやっつける!
加熱調理を基本。肉、内臓の生食はやめる。ワサビ、梅干などの薬味を上手に活用。

■医療機関で診察を

腹痛、下痢、嘔吐、発熱などがみられたら直ちに医療機関を受診しましょう!!!

 
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