医療トピックス トピックス
毎日ドクタ- 健康かわら版 3月号 2015.03.01
一般財団法人 毎日ドクター

 2015年花粉症

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

スギ・ヒノキ花粉の飛散状況
本年のスギ・ヒノキ花粉飛散量は九州や四国を除き昨年より増加します。東海地方では2月中旬から飛散がみられ、2月下旬より飛散量が増加します。昨年の約2倍から2.5倍の飛散量を予測しています。

花粉の飛散に関する特徴
花粉の飛散量は、①風の強い日 ②雨の降った翌日 ③気温が上昇した日に増加します。また1日の中では午前10時から午後4時の時間帯で多く飛散します。

花粉症の症状
花粉症はアレルゲンとなる大気中のスギ・ヒノキ花粉が鼻粘膜から侵入することにより体内の免疫が反応してIgE抗体を産生して感作された状態となります。その後、再びスギ・ヒノキ花粉が体内に侵入すると、このアレルゲンを激しく排出しようとして鼻水くしゃみ、毛細血管の拡張、痒みが発生します。

ここ10年のスギ・ヒノキ花粉の推移
スギ・ヒノキ花粉の平均飛散量を比較しますと、前年の夏から秋の天候に左右され増加や減少を繰り返しながら全体的にはここ10年で約2.5倍になっています。
これは1970年以降に人工植林されたスギ・ヒノキが樹齢30年から40年の成木となり大量の花粉を飛散しているためと考えられています。

日常の花粉症対策
①髪や衣服をはたいて花粉を落としましょう。衣服は玄関の外ではたきましょう。
②ゴ-グルやマスクを利用しましょう。
③洗濯物や布団は影干しにするか、よくはたいて取り込みましょう。
④空気清浄器や加湿器を利用しましょう。
⑤午前10時から午後4時の間は屋外活動を控えましょう。
⑥飲酒により鼻閉が強くなりますので節酒しましょう。

花粉症の治療

市販の坑ヒスタミン剤等を試され、改善しない場合は耳鼻咽喉科、眼科、内科に早目に受診をして相談しましょう。尚、ステロイド剤の筋肉注射は副作用の心配が強いため各学会から注意喚起がされており、現在は行いません。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 2月号 2015.02.01
一般財団法人 毎日ドクター

 メンタル・ヘルスの大切さ その2

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

メンタル・ヘルスを安定させるリジリエンス(resiliens)という概念
最近、入学試験、就職活動、入社後の適応障害、競走社会、人間関係のトラブル等により許容範囲を超えたストレス状態となり、こころが折れてしまい、うつ状態に陥る人が増えています。場合によっては休職を余儀なくされる人もいます。現在、大変辛い状況にあっても立ち直りの早い人と、そうではなく立ち直れなくなる人ではメンタル的に何が違うのかという研究が進んでおり、リジリエンスという概念が注目されています。リジリエンスとは外圧が加わった時に、その外圧に対する弾力性、反発力、復元力のことをいいます。精神医学の領域では立ち直りの早い人と遅い人では、その人が持っているリジリエンスに差があるのではないかと考えられています。『リジリエンス=こころの復元力、折れないこころ』には個人差がありますが、考え方の工夫、生活の工夫、経験値などにより高めていくことが可能です。

リジリエンス=こころの復元力、折れないこころを構成する要素
① 日常生活の規則正しいリズム
就寝・起床時間、出勤までの準備、余裕のある出勤、3食の時間帯などの基本的なリズムが乱れていますと精神的、時間的に余裕がなくなり冷静な対応や思考に支障が出ます。
② 長時間勤務、休日出勤、荷重負荷の高い業務の是正・コントロ-ル
エンドレスの長時間勤務や荷重負荷の高い業務はストレス増大によるケアレスミス、業務効率の低下を招きます。結果として余裕のない思考パタ-ンとなります。
③ 状況分析能力・優先順位
困難に直面した時にパニックにならず状況を分析して、その内容を書き出してみましょう。
そして枝葉のことに捕われず優先順位をつけて緊急性・重要性の高い事から取り組みましょう。
④ 感情の自己コントロ-ル
感情の起伏が激しく物事に一喜一憂していると継続的な発展的思考が弱くなり、落ち込んだ時に方向性が見えなくなります。自己を客観視するトレ-ニングをしてみましょう。
⑤ 楽観性・プラス思考の努力
プラス思考の人は困難に直面しても前向きに取り組むことが可能ですが、そうでない人は1日に1つか2つ、どんな事でも構いませんのでプラス思考する努力をしてみましょう。
プラス思考をする努力により気持ちのぶれ幅が縮小していくことが期待できます。
⑥ 目標意識
自分自身の目標を掲げましょう。今日1日の目標、今週の目標、ここ1ヶ月の目標、年間の目標、数年単位の目標など。多忙の時はあえてハ-ドルを下げた目標にしましょう。
⑦ 公私にわたる充実感
仕事とプライベ-トがともに満たされるように、時間配分と切り替えを大切にしましょう。
⑧ 周囲のサポ-ト
何でも話せる相談相手を持ちましょう。先ず自分から挨拶をすることが出発点です。適正な評価はやる気の原動力になります。『大人もほめましょう』。

リジリエンス=こころの復元力、折れないこころを高める実践
リジリエンス=こころの復元力、折れないこころを高めるために、上記①~⑧を検討されて、できる事から取り組みましょう。目指す所は『困難を跳ね返す鋼のような強靭な精神ではなくて、困難に遭遇しても柔軟に工夫をして、しなやかに乗り越える精神』です。毎日の気持ちの持ち方や行動を工夫して、1歩1歩確実にゆっくり階段を登って行きましょう。継続する事により経験値としても生かされ、リジリエンス=こころの復元力、折れないこころを高めることが可能となります。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 1月号 2015.01.01
一般財団法人 毎日ドクター

 メンタル・ヘルスの大切さ その1

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

皆様、新年あけましておめでとうございます。本年も毎日ドクタ-は皆様の健康増進応援団として活動してまいります。どうぞ、宜しくお願い申しあげます。

メンタル・ヘルスの大切さ
最近、メンタル・ヘルスの不調から睡眠障害や体調不良をおこす人が急増しており、憂うつ感の増大により休職を余儀なくされる人もみられます。また、新しい職場環境に中々馴染めず、ハツラツとした毎日をおくれない人も増加しています。
私たちは長時間労働やプレッシャ-を強く感じる仕事を続けますと、ストレスを感じます。ストレスが発生すると脈が速くなり血圧が上昇します。許容範囲内のストレスであれば一過性の症状で回復しますが、エンドレスで許容範囲を超えるストレスは不整脈や血圧上昇とともにメンタル・ヘルスの不調も招き、睡眠障害、食欲低下、疲労感の増大、うつ傾向へと発展していきます。

ストレスに強い人と弱い人
メンタル・ヘルスの難しい所は、同じストレスでも簡単に克服できる人とそうでない人がいるということです。ストレスに強いか弱いかは個人差があります。個人差を決定する要因には、性格、学生時代の環境、就職後の経験値、職場環境、仕事以外の趣味等様々なことがあげられますがストレスに対応していくためには以下のことが大切です。
① 個人個人が自分自身のストレス度を把握してストレスを軽減する工夫をすること
② 事業者は全ての従業者が快適に就業できる環境整備に努めること
③ ストレスに強い人でも弱い人でも個人として尊重されなければいけないこと

職場におけるメンタル・ヘルスのポイント
事業者は、全ての人が「生き生きと、ハツラツと、楽しく、充実感をもって」就業できるように環境を整えることが重要です。
具体的な方策としては
① 従業者がメンタル・ヘルスチェックを受ける機会をつくり、従業者が自分自身のストレス度を把握して、個人としての対策などをアドバイスすること
② 事業所として長時間労働者を把握して産業医面談等を通じて心筋梗塞や脳卒中の発症を予防すると同時に、うつ傾向者や休職者を未然にサポ-トをすること

毎年の健康診断とメンタル・ヘルスチェックを合わせて、『ト-タル・ヘルスの向上』をめざしましょう!

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 12月号 2014.12.01
一般財団法人 毎日ドクター

 年末の健康心得

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

本年も師走となりました。何かと気ぜわしくなりますので、時間に余裕をもって事故や怪我のないように注意しましょう。今回は年末の健康注意についてまとめてみました。

起床時の注意
冬の朝は全身の筋肉が固く収縮していたり、手足の抹消血液循環がゆっくりになっています。起床後は手足を乾布マッサ-ジのようにさすったり、簡単な体操やストレッチをして体を温めてから1日をスタ-トましょう。

出勤時、外出時の注意
最低気温、最高気温が徐々に下がってきています。また寒波により急激に冷え込む日もみられます。温かい服装をしていても体温は襟元や袖口から逃げていきます。マフラ-や手袋をして体温の放出を防ぎましょう。

インフルエンザ、風邪症候群の注意
インフルエンザは集団感染、重症化する危険がありますので是非、予防接種を実施しましょう。予防接種は12月上旬までに済ませましょう。人ごみの中では様々なウイルスがまん延しています。マスクの着用、こまめなうがい、手洗いを励行しましょう。

入浴時の注意
冬場はリビング、廊下、脱衣場、洗い場、浴槽などに著しい温度差があります。高血圧発作や脳・心血管障害を発生しやすくなり大変危険です。各部屋での温度差を少なくして、廊下やトイレではもう1枚カ-デガンなどを羽織りましょう。また裸になる脱衣場は暖房をしておいたり、洗い場ではあらかじめ温水シャワ-を出しておくなどの工夫をしましょう。

食事会、忘年会の注意
12月は納会、懇親会、同窓会、忘年会などが重なり、過度の飲酒や過食傾向となります。胃腸の消化運動や肝機能を維持するために『ゆっくり時間をかけて飲食』『連日の会食は避ける』を心がけましょう。

夜ふかしに注意(良質な睡眠を)
睡眠は脳から分泌されるメラトニンというホルモンによって調節されています。睡眠中に分泌されるメラトニンは起床後に紫外線を浴びると分泌が止まり、夜の10時位になると再び分泌が始まり自然な眠気を誘い、良質な深い睡眠を導きます。またメラトニンは睡眠中に細胞の代謝を整えて疲労回復を促進します。夜ふかしが続いたり、夜型の生活スタイルはメラトニンの分泌が悪くなり、疲労回復遅延、免疫力低下、加齢現象の進行を招きます。いつも午前0時前には就寝するように心がけましょう。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 11月号 2014.11.01
一般財団法人 毎日ドクター

 2014年度 インフルエンザ情報 

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

インフルエンザの基礎知識
毎年、冬に流行するインフルエンザは通常の風邪をひき起こすウイルスとは異なり感染力が強いため、学童では学級単位で、大人では事業所・部署単位で集団感染、集団発症する可能性があります。感染してから1~2日で発熱(37度~39度)、全身の筋肉痛、倦怠感、吐き気、下痢、食欲低下、脱水症などを引きおこします。また、乳幼児では脳炎の合併、高齢者では肺炎の合併も心配されます。
本年流行すると考えられているインフルエンザウイルスはA型(H1N1)、A型(H3N1)、B型と予想されており、新たに変異をしたインフルエンザウイルスは発生していません。

インフルエンザの予防接種
インフルエンザの予防接種は法律上では任意予防接種の扱いですので、希望される方が接種を受けます。日本のインフルエンザ予防接種実施率は30%台後半で欧米の50%台と比較すると低率となっています。インフルエンザは集団感染、集団発症、重症化する危険がありますので是非予防接種を実施しましょう。

予防接種のポイント
①医療機関では10月下旬からインフルエンザの予防接種を実施しています。
②本年流行すると想定されるインフルエンザウイルスに対応したワクチンです。
③ワクチン0.5ccを上腕に皮下注射します。予防接種は1回で十分効果があります。
④予防接種後2週間前後で免疫を獲得し、約4か月持続します。
⑤予防接種実施にあたっては十分な問診と体温測定をいたします。当日に発熱をしている方は延期となる場合があります。

インフルエンザの感染を防ぐ一般的な注意事項
①流行期には手洗いとうがいをこまめにしましょう。
②通勤や人ごみの中ではマスクをしましょう。
③加湿によりインフルエンザウイルスの飛散が弱まります。加湿器を使いましょう。
④インフルエンザの予防接種を毎年実施しましょう。
⑤免疫力を落とさないために充分な睡眠とバランスの良い食事を摂りましょう。
⑥残業や休日出勤はひかえて体力を維持しましょう。
⑦体調不良を感じたら体温を測り、医療機関を受診しましょう。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 10月号 2014.10.01
一般財団法人 毎日ドクター

― 脂質代謝異常に注意しましょう ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

 脂質代謝異常とは
脂質代謝とは毎日の食事で摂取するコレステロ-ルや中性脂肪のバランスをいいます。
コレステロ-ルは細胞を構成する材料になったり、ホルモンを作る材料になったりします。中性脂肪は細胞が活動するエネルギ-源となります。

 正常値(mg/dl)
総コレステロ-ル:120~219  中性脂肪:30~149
善玉(HDL)コレステロール:40~95  悪玉(LDL)コレステロ-ル:65~119

 健康診断における傾向
ここ10年は脂質代謝異常の方が急増しており、体重の増加とともに総コレステロ-ル、悪玉コレステロ-ル、中性脂肪の上昇が目立ちます。悪玉コレステロ-ルの上昇は血管内空に脂の塊であるプラ-クを蓄積させ、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞をひき起こします。
中性脂肪の上昇は内臓・皮下脂肪を増大させて、肝臓機能障害や糖尿病を誘発します。

 食欲の秋にむけて脂質代謝異常の攻略方法
① 鶏卵をひかえましょう。鶏卵は2日に1個までにしましょう。
② 魚卵の食べ過ぎに注意しましょう。子持ちシシャモ、たらこ、イクラ、スルメはコレステロ-ル含有量が多いのでひかえめにしましょう。
③ 魚や鶏肉を中心に献立をつくり、牛豚のバラ肉、ロ-ス、カルビは少量にしましょう。
鳥皮はコレステロ-ル含有量が多いのでひかえめにしましょう。
④ 緑黄色野菜(トマト、ブロッコリ-、ニンジン、レタス、ピ-マン)や繊維質の多い野菜(アスパラ、ゴ-ヤ、ごぼう、ふき、レンコン)
などを先に食べましょう。
⑤ 飲酒により肝臓で中性脂肪が合成されます。節酒され休肝日をつくりましょう。
⑥ ピ-ナッツ、ア-モンド、落花生、胡麻などは中性脂肪を上昇させます。摂取量を調整しましょう。
⑦ 朝食はしっかり食べて夕食のボリュ-ムを80%位に減らしましょう。
⑧ 早食い、ドカ食いは脂質代謝異常と糖代謝異常をまねきます。注意しましょう。
⑨ 毎日よく歩くようにして消費カロリ-を増やしましょう。
⑩ 週3回は30分程の運動をしましょう。

健康診断の結果で異常値・要治療の方は早く医療機関を受診しましょう!

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 9月号 2014.09.01
一般財団法人 毎日ドクター

― 健康寿命を延ばそう ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

 平均寿命と健康寿命
本年7月末に2014年版の厚生労働白書が厚生労働省から発表されました。これによりますと2013年の日本人平均寿命は男性が80.21歳、女性は86.61歳となり、男性は初めて80歳代に到達しました。女性は世界で最長寿となっています。
さて、平均寿命に対して健康寿命という概念が最近重要視されています。健康寿命とは『加齢や病気が原因で日常生活に何らかの制約が発生することなく生活できる年齢』 を言います。健康寿命は現在の所、男性が70.42歳、女性は73.62歳となっています。健康寿命と平均寿命の差は男性が約10歳、女性は約13歳となります。今後は健康寿命を延ばして平均寿命との差を縮小していくことが大切となります。

 健康寿命を延ばすためには
健康寿命を延ばすためには高齢期になってからの注意では間に合いません。生涯を通して健康に注意することが基本となります。入社時の健康診断、毎年の企業健診、地方自治体の健診、個人の人間ドックなどを毎年受診され、『ご自身の健康リスク』を把握していることが重要です。そしてその結果を丁寧に指導していく『ホ-ムドクタ-の存在』 が不可欠となります。健康リスクに対する指導が早期に開始されれば、コントロ-ル可能な健康リスクで留まり、仮に内服治療を必要とする場合でも最小限の内服量ですみ、将来の健康寿命に及ぼす影響を可能な限り減らすことができます。

 各年齢における健康注意
① 入社時 ~ 30歳
体重の増加 脂肪肝 コレステロ-ル・中性脂肪の上昇に注意
メタボ予備群の注意
② 30歳 ~ 40歳
体重の増加 脂肪肝 コレステロ-ル・中性脂肪 血圧の上昇に注意
子宮癌検診 乳癌検診を毎年実施
メタボの注意
③ 40歳 ~ 50歳
体重の増加 脂肪肝 コレステロ-ル・中性脂肪 血圧 血糖値の上昇に注意
子宮癌検診 乳癌検診を毎年実施
胸部レントゲン 胃透視 検便などで癌の早期発見を
高血圧症 脂質代謝異常 糖尿病の適切な通院治療を
④ 50歳 ~ 60歳
体重の増加 脂肪肝 コレステロ-ル・中性脂肪 血圧 血糖値の上昇に注意
子宮癌検診 乳癌検診を毎年実施
胸部レントゲン 胃透視 検便などで癌の早期発見を
高血圧症 脂質代謝異常 糖尿病の適切な通院治療を
血管年齢・動脈硬化に注意 心筋梗塞・脳梗塞の予防・治療を
⑤ 60歳以上
胸部レントゲン 胃透視 検便などで癌の早期発見を
高血圧症 脂質代謝異常 糖尿病の適切な通院治療を
血管年齢・動脈硬化に注意 心筋梗塞・脳梗塞の予防・治療を
筋力の維持(体操 散歩 スポ-ツ) 物忘れ・認知症の予防・早期発見を

健康寿命を延ばすためには高齢期になってからの注意ではなく、若い時からの継続した注意が大切です。ご自身の健康リスクを把握して信頼のおけるホ-ムドクタ-を持ちましょう。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 8月号 2014.08.10
一般財団法人 毎日ドクター

― 家庭での食中毒予防 

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

本年の大相撲名古屋場所は横綱白鵬関の通算30回目の優勝で幕を閉じました。この時期は猛暑日、熱帯夜が続いて夏バテや熱中症が心配な季節となります。こまめな水分補給と冷房を上手に使いましょう。また8月は夏の疲れにより消化吸収機能が低下して胃腸症状の訴えが多くなります。今回は家庭での食中毒予防について解説いたします。

厚生労働省は家庭での食中毒予防のため6つのポイントを注意喚起しています。
【1】食品の購入について
① 食品は消費期限をチェックして購入しましょう。
② 肉・魚はそれぞれ分けて包みましょう。
③ 保冷剤・保冷バックを利用して、寄り道をせず帰宅しましょう。

【2】家庭での保存について
① 購入した食品はすぐに冷蔵庫・冷凍庫に保存しましょう。
② 冷蔵庫・冷凍庫は詰め込み過ぎず、7割程度にしましょう。
③ 肉・魚は汁がもれないように包んで保存しましょう。

【3】下準備の注意
① 手洗いをしっかりしましょう。肉・魚・卵を扱った後もしっかり手洗いをしましょう。
② 肉・魚を調理した包丁・まな板はよく洗ってから熱湯をかけておきましょう。
③ タオル・ふきんは常に清潔なものに取り換えましょう。

【4】調理の注意
① 加熱調理を基本としましょう。
② 加熱のめやすは中心部分の温度が75℃で1分以上です。
③ 生野菜に牛糞からの病原性大腸菌O157菌が付着していることもありますのでよく洗いましょう。

【5】食事について
① 食事の前にしっかり手を洗いましょう。
② 盛り付けは清潔な器具や食器を使いましょう。
③ 料理は長時間室温に放置しないようにしましょう。

【6】残った食品について
① 時間がたっていたり、怪しい食品は思い切って捨てましょう。
② 残った料理はしっかり手を洗った後で清潔な容器に小分けして冷蔵庫・冷凍庫で保存しましょう。

嘔吐、腹痛、下痢などの症状がある時は少しでも水分を補給して医療機関を受診しましょう!!

 
毎日ドクタ-健康かわら版 7月号 2014.07.01
一般財団法人 毎日ドクター

― 梅雨時の体調管理について ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

本年も梅雨に入りました。高温多湿のこの時期は体調管理が大切です。この季節に心配な熱中症の本態は自律神経失調(体温調節機能失調)と脱水症です。汗をかきやすい体にして体表温度が下がるようにコントロ-ルをしましょう。こまめな水分補給も忘れずにしましょう。

この季節は以下の注意をして体調管理をして下さい。

発汗しやすい体をつくりましょう。高校球児は日頃の練習で大量の汗をかき、気化熱により体表温度を調整しています。私達は彼らのようなトレ-ングをすることはできませんが、毎日できる軽度の運動を心がけましょう。1日10分程度のストレッチや体操をして、いつもより20分位多く歩きましょう。シャワ-だけではなく短時間の入浴も効果があります。額にうっすらと汗がにじむ程度で十分です。発汗作用が亢進して体表温度のコントロ―ルが良好になります。本格的な真夏が来る前に是非、汗のかきやすい体作リをしましょう。

②脱水症の予防のためにこまめな水分補給をしましょう。いっきに500cc飲んでも水分の吸収は一定ですから、消化管に水分が貯留して腹部膨満感が発生したり下痢気味になったりします。ゆっくり一口ずつ飲みましょう。1時間毎にコップ1杯(80cc前後)を目安としましょう。

冷たい飲み物はひかえて常温から少し冷たい程度の水分をとりましょう。6月から7月にかけて冷たい飲み物を毎日飲んでいますと、消化管の蠕動リズムが乱れて下痢や腹痛をおこす心配があります。また胃腸の蠕動リズムの乱れは膀胱を刺激しますので頻尿傾向となり夜間の睡眠障害につながることもあります。

④梅雨時から初夏にかけては紫外線量が増大します。曇りの日でも紫外線は地表に届きます。1日20分程度の屋外活動はビタミンDを活性化させて骨そしょう症を予防しますが、過度の紫外線は体の老化・酸性化や発癌性上昇の危険があります。帽子、日傘、UⅤカットのシャツ、UⅤカットの化粧品などを利用しましょう。また紫外線は眼底の網膜からも吸収されますので、仕事に支障がなければUⅤカット仕様のサングラスを利用しましょう。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 6月号 2014.06.01
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― 健康診断の正しい見方 ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■最近の健康診断基準値にかかわる報道
本年4月4日に日本人間ドック学会が発表した『超健康人』に関する基準値が物議をおこして医療の現場では間違った解釈をしておられる受診者が増えています。日本人間ドック学会は血圧が147/94、悪玉コレステロ-ルが178mg/dlでも健康な人がいると発表しましたが、その後の波紋の大きさや『基準値が緩和される』という解釈が一人歩きしたことを懸念して、4月7日には改めて『今回は中間報告であり今後も調査を継続します。今すぐ基準値を緩和することは考えていません』と釈明発表を出しています。
日本高血圧学会日本動脈硬化学会は従来の基準値は
①様々な研究により医学的な根拠が立証されたものである
②健康診断の本来の目的である疾病予防も考え合わせたものである
③受診者の健康にかかわるリスクが増えれば基準値はより厳しくなる
と見解を発表しています。医療の現場では今後も従来の基準値を踏襲して医学的な根拠のもとに病気の予防も視野に入れ、お一人お一人のリスクに見合った指導をしてまいります。

■高血圧の考え方
日本高血圧学会の提唱する基準値は
①医療機関で測定した場合は140/90までが理想
②家庭で測定した場合は135/85までが理想(家庭での測定を重要視する)
③糖尿病や腎臓病の方は医療機関で測定した場合は130/80までが理想
としており、家庭での血圧測定を推奨しています。糖尿病の方は全身の血管合併症を考慮して、また腎臓病の方は腎機能の将来にわたる温存を目的に基準値が設けられています。

■悪玉コレステロ-ルの考え方
日本動脈硬化学会は国内外の様々な研究により、悪玉コレステロ-ルが140mg/dlを超えると血管内に脂のプラ-クが発生して心筋梗塞や脳梗塞の危険が高まると注意を呼び掛けています。心筋梗塞や脳梗塞は血管の閉塞率が小さいと無症状のこともありますので健康診断では予防的見地から悪玉コレステロ-ルは120mg/dlまでがのぞまれます。また悪玉コレステロ-ル140mg/dlを超えている方は何らかの改善対策が必要となります。

■治療の基本
治療の基本は①食事の見直し・管理栄養士による食事環境の改善、②運動による肥満・血流改善、③内服治療の順番です。健康にかかわるリスクが複数ある多重リスクの方は主治医のもとで早期の治療が大切です。

 
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