医療トピックス トピックス
毎日ドクタ- 健康かわら版 6月号 2014.06.01
一般財団法人 毎日ドクター

― 健康診断の正しい見方 ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■最近の健康診断基準値にかかわる報道
本年4月4日に日本人間ドック学会が発表した『超健康人』に関する基準値が物議をおこして医療の現場では間違った解釈をしておられる受診者が増えています。日本人間ドック学会は血圧が147/94、悪玉コレステロ-ルが178mg/dlでも健康な人がいると発表しましたが、その後の波紋の大きさや『基準値が緩和される』という解釈が一人歩きしたことを懸念して、4月7日には改めて『今回は中間報告であり今後も調査を継続します。今すぐ基準値を緩和することは考えていません』と釈明発表を出しています。
日本高血圧学会日本動脈硬化学会は従来の基準値は
①様々な研究により医学的な根拠が立証されたものである
②健康診断の本来の目的である疾病予防も考え合わせたものである
③受診者の健康にかかわるリスクが増えれば基準値はより厳しくなる
と見解を発表しています。医療の現場では今後も従来の基準値を踏襲して医学的な根拠のもとに病気の予防も視野に入れ、お一人お一人のリスクに見合った指導をしてまいります。

■高血圧の考え方
日本高血圧学会の提唱する基準値は
①医療機関で測定した場合は140/90までが理想
②家庭で測定した場合は135/85までが理想(家庭での測定を重要視する)
③糖尿病や腎臓病の方は医療機関で測定した場合は130/80までが理想
としており、家庭での血圧測定を推奨しています。糖尿病の方は全身の血管合併症を考慮して、また腎臓病の方は腎機能の将来にわたる温存を目的に基準値が設けられています。

■悪玉コレステロ-ルの考え方
日本動脈硬化学会は国内外の様々な研究により、悪玉コレステロ-ルが140mg/dlを超えると血管内に脂のプラ-クが発生して心筋梗塞や脳梗塞の危険が高まると注意を呼び掛けています。心筋梗塞や脳梗塞は血管の閉塞率が小さいと無症状のこともありますので健康診断では予防的見地から悪玉コレステロ-ルは120mg/dlまでがのぞまれます。また悪玉コレステロ-ル140mg/dlを超えている方は何らかの改善対策が必要となります。

■治療の基本
治療の基本は①食事の見直し・管理栄養士による食事環境の改善、②運動による肥満・血流改善、③内服治療の順番です。健康にかかわるリスクが複数ある多重リスクの方は主治医のもとで早期の治療が大切です。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 5月号 2014.05.01
一般財団法人 毎日ドクター

 貯筋運動ってな~に? ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■貯筋運動とは
私たちのからだは加齢とともに基礎代謝量が低下して心肺機能や骨格筋機能が低下していきます。(基礎代謝量は18~20歳がピ-クです。) 就職してから体重が10㎏以上増加している人は代謝の低下や栄養過多に伴う肥満傾向によるものです。この状態で50歳代~60歳代を迎え日頃の運動不足が続きますと、からだを支える筋肉量が減少してきます。筋肉細胞は20歳までにその絶対的な細胞数が確定し、その後はトレ-ニングにより1つ1つの筋肉繊維は太くなっていきます。壮年期以降の筋肉量の減少は日々の運動不足により1つ1つの筋肉繊維が細くなり、肩や腕の筋肉が落ち、太ももが細くなっていく状態となります。筋肉量が減少しますと体重や姿勢を支える筋肉のサポ-トが減少しますので腰や膝の関節にかかる負担は増大します。さらに高齢となり心肺機能が低下をしてくると、行動範囲や歩く距離が少なくなり足腰の筋肉量は減少してしまいます。このような状態で何らかの病気により入院を余儀なくされますと、ますます筋肉量が減少をして退院後も自律した生活がおくれなくなる危険があります。

貯筋運動とは
①日頃からよく歩いて50歳代以降も筋肉量を維持する
②筋肉量を維持することにより基礎代謝を上げてメタボを予防する
③転倒しそうになっても姿勢を保つ バランス筋力を維持する
④高齢になってからの入院でも貯筋のおかげで退院後も介助を必要としない
このようなことを目的に各年齢層に見合った身体能力を維持していく運動です。

■貯筋運動の実践
①運動にあたっての注意:高血圧症、心臓疾患、糖尿病、整形外科疾患で治療中の方は主治医とよく相談の上、運動をして下さい。
②筋肉の柔軟性の維持:筋肉の柔軟性を維持するためにストレッチ体操をしましょう。
③有酸素運動:ウォ-キングをしましょう。最初は速足でなくてもかまいません。慣れてきたら10分マイペ-ス、5分速足、10分マイペ-スとリズムをつけてみましょう。現在の生活に20分~30分ほど余分に歩いてみましょう。
④肩関節周囲の貯筋体操:肩幅で立って両手は下げた位置で、両腕の重みを感じながら両肩の前まわし、後ろ回しをしましょう。両腕を肩で持ち上げるイメ-ジです。
⑤股関節周囲の貯筋体操:肩幅で立って両手を腰にあて、両足の付け根で円をかくように体重移動をゆっくりしながら右回り、左回り、8の字回旋 と動かしましょう。
⑥下腹部・腰回りの貯筋体操:肩幅で立って両手は下腹部にあて、ゆっくりと深呼吸をしましょう。息を吐きながら下腹部を引っ込めるようにしましょう。
②③は1日おきに ④⑤⑥は毎日続けましょう! 貯筋と貯金どちらも大切に!!

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 4月号 2014.04.01
一般財団法人 毎日ドクター

― 口腔疾患と全身の疾患との関連について ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

口腔疾患の代表に齲歯(虫歯)と歯周病があります。この2つ口腔疾患は私達の健康長寿に重大な影響を及ぼしています。これらの疾患と全身疾患との関連が重要視されています。

【齲歯(虫歯)と全身疾患】                                                                                                                           (注 齲歯:うし)
■ 誤嚥性肺炎
『80・20運動』とは、80歳の時に自分の歯を20本健在にしておく運動です。歯による咀嚼運動は、食べ物を細かく砕き、より消化吸収しやすくします。齲歯(虫歯)により自身の歯を失うと、しっかり噛めなくなり丸呑みする傾向があらわれます。また加齢による咽頭反射の低下も相まって食べ物の誤嚥が増大します。高齢者では誤嚥性肺炎が致死的な病気となります。

■ 体重減少・筋力低下
自身の歯を失い咀嚼運動が低下しますと噛み切る力が衰えて、食事のバランスが悪くなります。とくに良質なタンパク質の摂取に支障をきたして栄養バランスが不良となり体重減少や筋力低下をまねきます。高齢者にとって、自活していくライフワ-クに影響が出てきます。

【歯周病と全身疾患】
■ 糖尿病
歯周病は口腔内に常在している歯周病菌による慢性炎症で歯肉腫脹(歯槽膿漏)や歯痛、歯髄・歯槽骨破壊をおこします。放置していれば齲歯(虫歯)の原因となります。歯周病により口腔内常在菌が歯肉腫脹(歯槽膿漏)部位から慢性的に体内に侵入すると、全身の血液内で炎症性サイトカインが増大します。この炎症性サイトカインは膵臓から分泌されて食後の血糖値をコントロ-ルするインスリンというホルモンの働きを悪くします。その結果、健康な方が糖尿病予備軍になったり、糖尿病治療中の方が病状悪化をきたしたりします。

■ 感染性心内膜炎
歯周病により齲歯(虫歯)をきたし抜歯の処置を受けますと傷口から口腔内常在菌のレンサ球菌が大量に体内に侵入・感染することがあります。歯科では抜歯処置後は必ず抗生物質を3~4日分処方して感染予防をしています。不完全な内服により感染をおこすと心臓内膜に急性炎症をきたし、心嚢液貯留や心不全を発症することがありますので注意が必要です。

毎食後、就寝前に歯磨きをして口腔内を清潔に保ちましょう!

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 3月号 2014.03.01
一般財団法人 毎日ドクター

― ニオイのメカニズム 

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■ 嗅覚(きゅうかく)・臭覚(しゅうかく)とは
ニオイを感じるシステムを嗅覚・臭覚といいます。これは人間の5感の1つです。
5感とは視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚・臭覚をいいます。嗅覚・臭覚は一般的なニオイを感知する以外に、遠く離れた位置の個体を識別したり、食べ物が腐敗していないか確認したり、有毒なガスを嗅ぎ分けたりして、生命にとって大切な役割を担っています。

■ ニオイの感知と認識は
それぞれの個体や物質は常に固有のニオイの分子を空気中に放出しています。例えばバラの花の香り、キンモクセイの香り、汗のニオイ、アンモニアのニオイなど固有のニオイの分子を放出しています。私達は空気と一緒に、このニオイの分子を鼻から吸い込みます。吸い込まれたニオイの分子は鼻腔の天蓋にある嗅覚細胞を刺激します。
刺激を受けた嗅覚細胞は大脳に電気信号を送り、大脳で情報処理がなされニオイとして認識されます。すなわち嗅覚・臭覚とは鼻で感知をして大脳で認識をしているのです。

■ 嗅覚・臭覚のトレ-ニング
嗅覚・臭覚は個人差が大きくトレ-ニングにより鋭敏になります。ワインのソムリエ、日本酒の杜氏、香水の調香師などはトレ-ニングにより一般の人が嗅ぎ分けられないニオイまで分析できる能力を獲得しています。人の嗅覚細胞は347個ほどですが、犬の嗅覚細胞は人の200倍と考えられています。

■ 嗅覚・臭覚の順応・疲労
強い香水や自分の体臭など、長時間、同じニオイを嗅いでいると徐々にそのニオイを感じなくなる現象です。新鮮な無臭の空気をしばらく吸うと回復します。

■ 嗅覚・臭覚と脳の病気
脳細胞の萎縮により脳細胞のネットワ-クが悪くなると認知症が始まります。その人の若い時代に身の周りにあった生活臭や好んでいた香りを嗅がせることによって、脳を刺激し記憶を呼び戻すことにより、認知症の予防、改善をめざす治療も着目されています。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 2月号 2014.02.01
一般財団法人 毎日ドクター

― 2014年花粉症情報 ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

【今年の花粉飛散時期】
スギの花粉は1月から2月の寒波がゆるみ、少し気温が上昇傾向となると飛びはじめます。2月上旬より関東地方や九州南部などで花粉の飛散がはじまります。2月中旬には東海地方や西日本各地で飛散開始となります。2月下旬から3月上旬には北陸地方や東北地方で飛散がみられます。

【今年の花粉飛散量】
飛散量は前年の夏の気候に左右されます。2013年の夏はよく晴れて暑い日が多かったのでスギの光合成は活発になっており、今年の飛散量は過去5年間の平均よりは多くなると予想されます。但し、昨年の春は過去5年間の中で最も飛散量が多い年でしたので、今年は昨年と比較すると2割減で例年と比較すると1割増と考えられます。

【花粉症対策】
① 天気予報などで情報を収集しましょう。急に気温が上昇する日や風の強い日は一気に飛散量が増大します。布団や洗濯物は部屋干しにしましょう。
② 花粉症対策用のマスクやゴ-グルを利用しましょう。
③ オフィスや自宅内に花粉を持ち込まないようにしましょう。入室前に衣類を洋服ブラシ(できれば静電気で吸着するタイプ)で拂いましょう。
④ 集塵機や空気清浄器を活用しましょう。
⑤ 花粉症用の点眼薬や点鼻薬を利用しましょう。
⑥ 花粉症は眼・鼻・咽頭粘膜のアレルギ-症状です。内科や耳鼻科で眠気の少ない抗ヒスタミン剤などの処方を相談しましょう。東海地方では1月の最終週あたりから予防的な内服が有効と考えます。
⑦ いったん花粉症がはじまりますと、他の原因(食事、化粧品、オ-バ-ワ-ク)でのアレルギ-症状(蕁麻疹など)も出やすくなります。注意しましょう。
⑧ 花粉症の時期に毎日飲酒をすると深夜に鼻粘膜の毛細血管が拡張して鼻詰まりがひどくなり睡眠障害をおこします。節酒をこころがけましょう。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 1月号 2014.01.01
一般財団法人 毎日ドクター

― 初春の体調管理 ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

新年、明けましておめでとうございます。本年も毎日ドクタ-は保険診療、健康診断、予防接種、産業医活動を通して皆様の健康応援団として努めてまいります。本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。年始にあたりインフルエンザの予防と胃腸症状の予防について解説いたします。どうぞご参考にして下さい。

【インフルエンザの予防について】
① 手洗い、うがいを小まめにしましょう。
② 睡眠を第一優先にしましょう。
③ 混んでいる乗り物の中ではマスクをしましょう。
④ 1時間にコップ1杯程度(約100cc)の水分補給をしましょう。
⑤ 外出時はマフラ-や手袋をして寒気に備えましょう。
⑥ 自宅内で各部屋の温度差が少なくなるように調整しましょう。
⑦ 加湿器を利用して湿度を40%以上に調整しましょう。

【胃腸症状の予防について】
① 冬場はノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行します。ノロウイルスは小腸に病変が発生するため嘔吐と水様性下痢が激しくみられます。症状が出現したらただちに医療機関にかかりましょう。
② ノロウイルスによる感染性胃腸炎では嘔吐物や水様便の中に大量のノロウイルスが排出され感染源となります。処置に際しては、マスクと手袋をして塩素系の消毒剤を使用しましょう。
③ ノロウイルスの予防には加熱調理を基本として調理器具も塩素系消毒、熱湯消毒をしましょう。生ガキや生ホタテなど、生食は程々にしましょう。
④ 連日の忘年会や新年会で高脂肪食、大量飲酒が重なりますと急性膵炎を発症することがあります。特に胆石症の方は要注意です。胃の裏あたりから背中の中央部に激痛を感じたらすぐ医療機関にかかりましょう。
⑤ 年末年始に夜更かしをされ通常と違う時間帯(深夜)に食事をされますと消化不良や便秘・宿便になり、急性虫垂炎や大腸憩室症が発症しやすくなります。食事の時間帯を守りましょう。
⑥ 激辛の食べ物や高濃度のアルコ-ルにより食道・胃粘膜が連日刺激を受けますと逆流性食道炎や胃十二指腸潰瘍が発症しやすくなります。辛さや飲酒量をコントロ-ルしたり、野菜料理を先に食べるようにしましょう。

 
1 2 3 4 5
一般財団法人 毎日ドクター
 
一般財団法人 毎日ドクター
一般財団法人 毎日ドクター

前ページへ トップへ 次ページへ

一般財団法人 毎日ドクターコンテンツ
医療トピックス
一般財団法人 毎日ドクター
一般財団法人 毎日ドクター
一般財団法人 毎日ドクター
一般財団法人 毎日ドクター
〒450-6626
名古屋市中村区名駅一丁目1番3号 JRゲートタワー26階
Tel:052-581-2526

 
■交通機関のご案内
(いづれも徒歩にて)
●JR名古屋駅から約5分
●地下鉄名古屋駅9番出口から約5分
(JRゲートタワー地下1階入口)
●名鉄名古屋駅から約5分
●近鉄名古屋駅から約5分
一般財団法人 毎日ドクター
・内科
・耳鼻咽喉科
・眼科
・皮膚科
・精神科
・婦人科
・健康診断
・人間ドック
・産業医活動
・診療時間
診療時間は
各科で異なります。
詳しくは診療案内を
ご覧ください。
・休診日
日曜日、祝休日、
土曜日午後
一般財団法人 毎日ドクター

Copyright (C) 2012 Mainichi Clinic. All Rights Reserved.