医療トピックス トピックス
毎日ドクタ- 健康かわら版 6月号 2015.06.01
一般財団法人 毎日ドクター

―  熱中症対策をしましょう ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

■熱中症のメカニズム
熱中症とは人体が高温、高湿度の環境に長時間さらされた場合におこる現象です。急に気温が上昇する6月から湿度の高い梅雨時の7月、そして炎天下の8月や残暑の9月によく発症します。屋外だけではなく屋内でも体育館、イベント会場、コンサ-ト会場、通勤電車など、人が密集していて風通しが悪い環境で発症しますので注意しましょう。その本態は血管の緊張や発汗作用をコントロ-ルしている自律神経の失調や大量発汗による脱水症状、さらには脳の体温調節機能の失調と多岐にわたります。

■熱中症の症状

軽症: 高温、多湿の不快な環境により血管の緊張が不良となり、立ちくらみ、めまいがおきます。また、発汗作用の低下により体表温度の上昇がみられたり、手足の末梢循環不良により筋肉が硬くなったりしびれを感じたりします。
中等症: 水分摂取不足により脱水症状が加わると、脱力、握力低下、頻脈、血圧低下、けいれん、失神などがみられます。
重症: 脳の視床下部にある体温調節中枢が機能しなくなり、40度以上の発熱、昏睡ショック症状をおこします。

■熱中症の症状
① 気温の上昇や湿度の上昇に徐々に慣れていくために涼しい時間帯や地下街を利用して毎日15分程余分に歩きましょう。ストレッチや軽めのダンベルなども有効です。
発汗をおこなう汗腺の代謝が良くなると汗の出やすい体になり、気化熱により体表温度が下がり快適に過ごせるようになります。
② 口渇を感じる前に、こまめな水分補給をしましょう。
③ 団扇や扇子で首や顔面を下から扇いで体表温度を下げましょう。
④ 帽子や日傘で直射日光を避けて、首回りや脇の通気性の良い服装をしましょう。
⑤ 大量の発汗時はスポ-ツドリンクを利用しましょう。適度な塩分も有効です。

■熱中症の緊急応急処置
軽症の場合は首回り、衣服をゆるめて涼しい所で横になり、水分を補給しましょう。
中等症の場合は同じく首回り、衣服をゆるめて涼しい所で横になり、スポ-ツドリンク
や塩分補給をしましょう。けいれん、頻脈、握力低下、ふわふわする場合は病院で点滴治療が必要です。医療機関を受診しましょう。
重症の場合は40度以上の発熱、昏睡、ショック症状をおこしているため直ちに救急車を手配します。救急車の到着までは首回り、衣服をゆるめて涼しい所に寝かせて額、首回り(頸部)、脇、股間(ソケイ部)をアイスパックや冷水で冷やして待機しましょう。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 5月号 2015.05.01
一般財団法人 毎日ドクター

―  紫外線の健康被害について ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

5月を迎え爽やかな季節となりました。日差しがまぶしくとなると同時に紫外線の量は増大してきます。紫外線対策をしましょう。

【紫外線とオゾンホ-ルについて】
紫外線とは地球に到達する太陽光線のうち、波長が短くエネルギ-の高い不可視光線のことです。太陽光線は波長の短いものから紫外線(不可視光線)、可視光線、赤外線に分類されます。紫外線はA波、B波、C波に分類されますがオゾン層を通過して地上にとどくのはA波とB波です(A波が99%)。
化学物質のフロンやハロンが大量に大気中に排出されますと一酸化窒素や塩素によりオゾン層の破壊がすすみ、オゾンホ-ルが形成されます。オゾンホ-ルが拡大しますと地上にとどく紫外線量は増大して皮膚がん、白内障のリスクが上昇します。地上に到達する紫外線量が10%増大しますと皮膚がんの発症は女性で16%、男性で19%上昇すると報告されています。

【紫外線の健康被害について】
紫外線A波は表皮を通過して真皮まで到達します。肌を黒くさせるサンタン現象をひき起こします。大量に浴びると真皮のコラ-ゲンを破壊して皮膚の老化をすすめます。また真皮のDNAを破壊して皮膚がんの発症を助長します。
紫外線B波は真皮までは到達しませんがエネルギ-量が高いのでA波より有害です。表皮において肌を赤くするサンバ-ン現象をおこします。大量に浴びると皮膚がんや白内障の発症を助長します。

【紫外線の健康効果】
適量の紫外線は細胞の新陳代謝を良好にします。またビタミンDを活性化させ骨粗鬆症を予防します。1日30分程度の屋外散歩が至適紫外線量です。

【紫外線量について】
年間の紫外線量を比較すると4月より上昇して7月~8月がピ-クとなります。
天候との関係では薄曇りの日は晴天の日と殆ど変わらない紫外線量となります。
反射による紫外線量増大は、雪原>海面>アスファルト>芝生の順となります。

【紫外線対策・UVインデックスについて】
紫外線対策の指標としてUVインデックスがあります。紫外線量の増大に合わせて1+~11+にランク分けされており、環境省より毎日発表されています。
最近は天気予報でも情報提供されていますので参考にされ、帽子、日傘、UVカットサングラス、長袖シャツ、日焼け止めクリ-ムなどを利用して紫外線対策をしましょう。

【日焼け止めクリ-ムのPA・SPF表示の見方】
PA(Protection grade of UV‐A)とは紫外線A波を防止する指標です。
表示 PA+ ・・・ 効果あり
PA++ ・・・ かなり効果あり
PA+++ ・・・ 非常に効果あり
SPF(Sun Protection Factor)とは紫外線B波を防止する指標です。
表示 SPF25 ・・・ 何も塗らないで日焼けをした時と比べてSPF25のクリ-ムを塗った場合は約8時間肌の発赤を防いでくれる効果があり
SPF50 ・・・ 何も塗らないで日焼けをした時と比べてSPF50のクリ-ムを塗った場合は約16時間肌の発赤を防いでくれる効果があり
 
毎日ドクタ- 健康かわら版 4月号 2015.04.01
一般財団法人 毎日ドクター

 ライフイベント法によるストレス度の自己採点

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

ストレス・ストレッサ-とは
私たちは毎日いろいろな繋がりの中で生活をしています。人間関係、親子関係、仕事関係など様々な仕組みの中で生活をしています。当然楽しいこともあれば思い通りにならないこともあります。ストレスとは日常生活の中で発生する刺激的な要素(ファクタ-)を差します。一般的には気持ちが落ち込んだり、体に疲労が溜まるようなマイナス的な要素を考えがちですが、新車を買ったり、昇進したりするような楽しいプラス的な要素もストレスとなります。そして、その要素一つ一つをストレッサ-といいます。

ストレス反応とは
ストレスが発生すると自律神経が興奮して脈拍が早くなり血圧が上昇します。短期間のストレスは新陳代謝を活発にして細胞活性を高め健康長寿に役立ちますが、長期間にわたるストレスや多重ストレスは自律神経失調やホルモンバランスの乱れをおこして睡眠障害、高血圧、不整脈、心筋梗塞、胃潰瘍、うつ病などをおこす危険があります。

ライフイベント法とは
私たちの日常でおこる出来事のストレス度を数値化して、客観的に自分自身にどれくらいのストレスが蓄積しているかをチェックする試みをライフイベント法によるストレス度の自己採点といいます。アメリカの社会生理学者ホ-ムズ氏とレイ氏の研究を基に大阪樟蔭女子大学教授:精神科医の夏目誠氏がストレス点数表を作成しました(別表)。
結婚をストレス点数50点と計算して、配偶者の死83点、会社の倒産74点、仕事上のミス61点、人事異動58点などと数値化してあります。過去1年間をふりかえってみて自分自身の環境の変化、出来事を加点計算していきます。合計点数が150点以上であると、向こう1年の間で何らかの健康障害が起きる可能性は50%になると報告されています。

ライフイベント法の活用方法
個人差はありますが、楽しいはずの結婚も実はストレスの要因となります。しかしながら合計点数が150点以上になるためには複数のストレス要因が必要となりますので、自分自身のストレス点数の合計を意識して、加点要因を増やさない工夫をしていきましょう。誰にでも環境の変化や生活の変化はおこります。上手に変化に対応するために、しなやかで柔らかい考え方をしてコミュニケ-ションを大切にしていきましょう。

順位 ストレッサ― 点数
1 配偶者の死 83
2 会社の倒産 74
3 親族の死 73
4 離婚 72
5 夫婦の別居 67
6 会社を変わる 64
7 自分の病気や怪我 62
8 多忙による心身の過労 62
9 300万円以上の借金 61
10 仕事上のミス 61
11 転職 61
12 単身赴任 60
13 左遷 60
14 家族の健康や行動の大きな変化 59
15 会社の建て直し 59
16 友人の死 59
17 会社が吸収合併される 59
18 収入の減少 58
19 人事異動 58
20 労働条件の大きな変化 55
 
毎日ドクタ- 健康かわら版 3月号 2015.03.01
一般財団法人 毎日ドクター

 2015年花粉症

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

スギ・ヒノキ花粉の飛散状況
本年のスギ・ヒノキ花粉飛散量は九州や四国を除き昨年より増加します。東海地方では2月中旬から飛散がみられ、2月下旬より飛散量が増加します。昨年の約2倍から2.5倍の飛散量を予測しています。

花粉の飛散に関する特徴
花粉の飛散量は、①風の強い日 ②雨の降った翌日 ③気温が上昇した日に増加します。また1日の中では午前10時から午後4時の時間帯で多く飛散します。

花粉症の症状
花粉症はアレルゲンとなる大気中のスギ・ヒノキ花粉が鼻粘膜から侵入することにより体内の免疫が反応してIgE抗体を産生して感作された状態となります。その後、再びスギ・ヒノキ花粉が体内に侵入すると、このアレルゲンを激しく排出しようとして鼻水くしゃみ、毛細血管の拡張、痒みが発生します。

ここ10年のスギ・ヒノキ花粉の推移
スギ・ヒノキ花粉の平均飛散量を比較しますと、前年の夏から秋の天候に左右され増加や減少を繰り返しながら全体的にはここ10年で約2.5倍になっています。
これは1970年以降に人工植林されたスギ・ヒノキが樹齢30年から40年の成木となり大量の花粉を飛散しているためと考えられています。

日常の花粉症対策
①髪や衣服をはたいて花粉を落としましょう。衣服は玄関の外ではたきましょう。
②ゴ-グルやマスクを利用しましょう。
③洗濯物や布団は影干しにするか、よくはたいて取り込みましょう。
④空気清浄器や加湿器を利用しましょう。
⑤午前10時から午後4時の間は屋外活動を控えましょう。
⑥飲酒により鼻閉が強くなりますので節酒しましょう。

花粉症の治療

市販の坑ヒスタミン剤等を試され、改善しない場合は耳鼻咽喉科、眼科、内科に早目に受診をして相談しましょう。尚、ステロイド剤の筋肉注射は副作用の心配が強いため各学会から注意喚起がされており、現在は行いません。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 2月号 2015.02.01
一般財団法人 毎日ドクター

 メンタル・ヘルスの大切さ その2

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

メンタル・ヘルスを安定させるリジリエンス(resiliens)という概念
最近、入学試験、就職活動、入社後の適応障害、競走社会、人間関係のトラブル等により許容範囲を超えたストレス状態となり、こころが折れてしまい、うつ状態に陥る人が増えています。場合によっては休職を余儀なくされる人もいます。現在、大変辛い状況にあっても立ち直りの早い人と、そうではなく立ち直れなくなる人ではメンタル的に何が違うのかという研究が進んでおり、リジリエンスという概念が注目されています。リジリエンスとは外圧が加わった時に、その外圧に対する弾力性、反発力、復元力のことをいいます。精神医学の領域では立ち直りの早い人と遅い人では、その人が持っているリジリエンスに差があるのではないかと考えられています。『リジリエンス=こころの復元力、折れないこころ』には個人差がありますが、考え方の工夫、生活の工夫、経験値などにより高めていくことが可能です。

リジリエンス=こころの復元力、折れないこころを構成する要素
① 日常生活の規則正しいリズム
就寝・起床時間、出勤までの準備、余裕のある出勤、3食の時間帯などの基本的なリズムが乱れていますと精神的、時間的に余裕がなくなり冷静な対応や思考に支障が出ます。
② 長時間勤務、休日出勤、荷重負荷の高い業務の是正・コントロ-ル
エンドレスの長時間勤務や荷重負荷の高い業務はストレス増大によるケアレスミス、業務効率の低下を招きます。結果として余裕のない思考パタ-ンとなります。
③ 状況分析能力・優先順位
困難に直面した時にパニックにならず状況を分析して、その内容を書き出してみましょう。
そして枝葉のことに捕われず優先順位をつけて緊急性・重要性の高い事から取り組みましょう。
④ 感情の自己コントロ-ル
感情の起伏が激しく物事に一喜一憂していると継続的な発展的思考が弱くなり、落ち込んだ時に方向性が見えなくなります。自己を客観視するトレ-ニングをしてみましょう。
⑤ 楽観性・プラス思考の努力
プラス思考の人は困難に直面しても前向きに取り組むことが可能ですが、そうでない人は1日に1つか2つ、どんな事でも構いませんのでプラス思考する努力をしてみましょう。
プラス思考をする努力により気持ちのぶれ幅が縮小していくことが期待できます。
⑥ 目標意識
自分自身の目標を掲げましょう。今日1日の目標、今週の目標、ここ1ヶ月の目標、年間の目標、数年単位の目標など。多忙の時はあえてハ-ドルを下げた目標にしましょう。
⑦ 公私にわたる充実感
仕事とプライベ-トがともに満たされるように、時間配分と切り替えを大切にしましょう。
⑧ 周囲のサポ-ト
何でも話せる相談相手を持ちましょう。先ず自分から挨拶をすることが出発点です。適正な評価はやる気の原動力になります。『大人もほめましょう』。

リジリエンス=こころの復元力、折れないこころを高める実践
リジリエンス=こころの復元力、折れないこころを高めるために、上記①~⑧を検討されて、できる事から取り組みましょう。目指す所は『困難を跳ね返す鋼のような強靭な精神ではなくて、困難に遭遇しても柔軟に工夫をして、しなやかに乗り越える精神』です。毎日の気持ちの持ち方や行動を工夫して、1歩1歩確実にゆっくり階段を登って行きましょう。継続する事により経験値としても生かされ、リジリエンス=こころの復元力、折れないこころを高めることが可能となります。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 1月号 2015.01.01
一般財団法人 毎日ドクター

 メンタル・ヘルスの大切さ その1

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

皆様、新年あけましておめでとうございます。本年も毎日ドクタ-は皆様の健康増進応援団として活動してまいります。どうぞ、宜しくお願い申しあげます。

メンタル・ヘルスの大切さ
最近、メンタル・ヘルスの不調から睡眠障害や体調不良をおこす人が急増しており、憂うつ感の増大により休職を余儀なくされる人もみられます。また、新しい職場環境に中々馴染めず、ハツラツとした毎日をおくれない人も増加しています。
私たちは長時間労働やプレッシャ-を強く感じる仕事を続けますと、ストレスを感じます。ストレスが発生すると脈が速くなり血圧が上昇します。許容範囲内のストレスであれば一過性の症状で回復しますが、エンドレスで許容範囲を超えるストレスは不整脈や血圧上昇とともにメンタル・ヘルスの不調も招き、睡眠障害、食欲低下、疲労感の増大、うつ傾向へと発展していきます。

ストレスに強い人と弱い人
メンタル・ヘルスの難しい所は、同じストレスでも簡単に克服できる人とそうでない人がいるということです。ストレスに強いか弱いかは個人差があります。個人差を決定する要因には、性格、学生時代の環境、就職後の経験値、職場環境、仕事以外の趣味等様々なことがあげられますがストレスに対応していくためには以下のことが大切です。
① 個人個人が自分自身のストレス度を把握してストレスを軽減する工夫をすること
② 事業者は全ての従業者が快適に就業できる環境整備に努めること
③ ストレスに強い人でも弱い人でも個人として尊重されなければいけないこと

職場におけるメンタル・ヘルスのポイント
事業者は、全ての人が「生き生きと、ハツラツと、楽しく、充実感をもって」就業できるように環境を整えることが重要です。
具体的な方策としては
① 従業者がメンタル・ヘルスチェックを受ける機会をつくり、従業者が自分自身のストレス度を把握して、個人としての対策などをアドバイスすること
② 事業所として長時間労働者を把握して産業医面談等を通じて心筋梗塞や脳卒中の発症を予防すると同時に、うつ傾向者や休職者を未然にサポ-トをすること

毎年の健康診断とメンタル・ヘルスチェックを合わせて、『ト-タル・ヘルスの向上』をめざしましょう!

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 12月号 2014.12.01
一般財団法人 毎日ドクター

 年末の健康心得

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

本年も師走となりました。何かと気ぜわしくなりますので、時間に余裕をもって事故や怪我のないように注意しましょう。今回は年末の健康注意についてまとめてみました。

起床時の注意
冬の朝は全身の筋肉が固く収縮していたり、手足の抹消血液循環がゆっくりになっています。起床後は手足を乾布マッサ-ジのようにさすったり、簡単な体操やストレッチをして体を温めてから1日をスタ-トましょう。

出勤時、外出時の注意
最低気温、最高気温が徐々に下がってきています。また寒波により急激に冷え込む日もみられます。温かい服装をしていても体温は襟元や袖口から逃げていきます。マフラ-や手袋をして体温の放出を防ぎましょう。

インフルエンザ、風邪症候群の注意
インフルエンザは集団感染、重症化する危険がありますので是非、予防接種を実施しましょう。予防接種は12月上旬までに済ませましょう。人ごみの中では様々なウイルスがまん延しています。マスクの着用、こまめなうがい、手洗いを励行しましょう。

入浴時の注意
冬場はリビング、廊下、脱衣場、洗い場、浴槽などに著しい温度差があります。高血圧発作や脳・心血管障害を発生しやすくなり大変危険です。各部屋での温度差を少なくして、廊下やトイレではもう1枚カ-デガンなどを羽織りましょう。また裸になる脱衣場は暖房をしておいたり、洗い場ではあらかじめ温水シャワ-を出しておくなどの工夫をしましょう。

食事会、忘年会の注意
12月は納会、懇親会、同窓会、忘年会などが重なり、過度の飲酒や過食傾向となります。胃腸の消化運動や肝機能を維持するために『ゆっくり時間をかけて飲食』『連日の会食は避ける』を心がけましょう。

夜ふかしに注意(良質な睡眠を)
睡眠は脳から分泌されるメラトニンというホルモンによって調節されています。睡眠中に分泌されるメラトニンは起床後に紫外線を浴びると分泌が止まり、夜の10時位になると再び分泌が始まり自然な眠気を誘い、良質な深い睡眠を導きます。またメラトニンは睡眠中に細胞の代謝を整えて疲労回復を促進します。夜ふかしが続いたり、夜型の生活スタイルはメラトニンの分泌が悪くなり、疲労回復遅延、免疫力低下、加齢現象の進行を招きます。いつも午前0時前には就寝するように心がけましょう。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 11月号 2014.11.01
一般財団法人 毎日ドクター

 2014年度 インフルエンザ情報 

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

インフルエンザの基礎知識
毎年、冬に流行するインフルエンザは通常の風邪をひき起こすウイルスとは異なり感染力が強いため、学童では学級単位で、大人では事業所・部署単位で集団感染、集団発症する可能性があります。感染してから1~2日で発熱(37度~39度)、全身の筋肉痛、倦怠感、吐き気、下痢、食欲低下、脱水症などを引きおこします。また、乳幼児では脳炎の合併、高齢者では肺炎の合併も心配されます。
本年流行すると考えられているインフルエンザウイルスはA型(H1N1)、A型(H3N1)、B型と予想されており、新たに変異をしたインフルエンザウイルスは発生していません。

インフルエンザの予防接種
インフルエンザの予防接種は法律上では任意予防接種の扱いですので、希望される方が接種を受けます。日本のインフルエンザ予防接種実施率は30%台後半で欧米の50%台と比較すると低率となっています。インフルエンザは集団感染、集団発症、重症化する危険がありますので是非予防接種を実施しましょう。

予防接種のポイント
①医療機関では10月下旬からインフルエンザの予防接種を実施しています。
②本年流行すると想定されるインフルエンザウイルスに対応したワクチンです。
③ワクチン0.5ccを上腕に皮下注射します。予防接種は1回で十分効果があります。
④予防接種後2週間前後で免疫を獲得し、約4か月持続します。
⑤予防接種実施にあたっては十分な問診と体温測定をいたします。当日に発熱をしている方は延期となる場合があります。

インフルエンザの感染を防ぐ一般的な注意事項
①流行期には手洗いとうがいをこまめにしましょう。
②通勤や人ごみの中ではマスクをしましょう。
③加湿によりインフルエンザウイルスの飛散が弱まります。加湿器を使いましょう。
④インフルエンザの予防接種を毎年実施しましょう。
⑤免疫力を落とさないために充分な睡眠とバランスの良い食事を摂りましょう。
⑥残業や休日出勤はひかえて体力を維持しましょう。
⑦体調不良を感じたら体温を測り、医療機関を受診しましょう。

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 10月号 2014.10.01
一般財団法人 毎日ドクター

― 脂質代謝異常に注意しましょう ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

 脂質代謝異常とは
脂質代謝とは毎日の食事で摂取するコレステロ-ルや中性脂肪のバランスをいいます。
コレステロ-ルは細胞を構成する材料になったり、ホルモンを作る材料になったりします。中性脂肪は細胞が活動するエネルギ-源となります。

 正常値(mg/dl)
総コレステロ-ル:120~219  中性脂肪:30~149
善玉(HDL)コレステロール:40~95  悪玉(LDL)コレステロ-ル:65~119

 健康診断における傾向
ここ10年は脂質代謝異常の方が急増しており、体重の増加とともに総コレステロ-ル、悪玉コレステロ-ル、中性脂肪の上昇が目立ちます。悪玉コレステロ-ルの上昇は血管内空に脂の塊であるプラ-クを蓄積させ、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞をひき起こします。
中性脂肪の上昇は内臓・皮下脂肪を増大させて、肝臓機能障害や糖尿病を誘発します。

 食欲の秋にむけて脂質代謝異常の攻略方法
① 鶏卵をひかえましょう。鶏卵は2日に1個までにしましょう。
② 魚卵の食べ過ぎに注意しましょう。子持ちシシャモ、たらこ、イクラ、スルメはコレステロ-ル含有量が多いのでひかえめにしましょう。
③ 魚や鶏肉を中心に献立をつくり、牛豚のバラ肉、ロ-ス、カルビは少量にしましょう。
鳥皮はコレステロ-ル含有量が多いのでひかえめにしましょう。
④ 緑黄色野菜(トマト、ブロッコリ-、ニンジン、レタス、ピ-マン)や繊維質の多い野菜(アスパラ、ゴ-ヤ、ごぼう、ふき、レンコン)
などを先に食べましょう。
⑤ 飲酒により肝臓で中性脂肪が合成されます。節酒され休肝日をつくりましょう。
⑥ ピ-ナッツ、ア-モンド、落花生、胡麻などは中性脂肪を上昇させます。摂取量を調整しましょう。
⑦ 朝食はしっかり食べて夕食のボリュ-ムを80%位に減らしましょう。
⑧ 早食い、ドカ食いは脂質代謝異常と糖代謝異常をまねきます。注意しましょう。
⑨ 毎日よく歩くようにして消費カロリ-を増やしましょう。
⑩ 週3回は30分程の運動をしましょう。

健康診断の結果で異常値・要治療の方は早く医療機関を受診しましょう!

 
毎日ドクタ- 健康かわら版 9月号 2014.09.01
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― 健康寿命を延ばそう ―

産業医・毎日ドクタ-理事長 山田正樹

 平均寿命と健康寿命
本年7月末に2014年版の厚生労働白書が厚生労働省から発表されました。これによりますと2013年の日本人平均寿命は男性が80.21歳、女性は86.61歳となり、男性は初めて80歳代に到達しました。女性は世界で最長寿となっています。
さて、平均寿命に対して健康寿命という概念が最近重要視されています。健康寿命とは『加齢や病気が原因で日常生活に何らかの制約が発生することなく生活できる年齢』 を言います。健康寿命は現在の所、男性が70.42歳、女性は73.62歳となっています。健康寿命と平均寿命の差は男性が約10歳、女性は約13歳となります。今後は健康寿命を延ばして平均寿命との差を縮小していくことが大切となります。

 健康寿命を延ばすためには
健康寿命を延ばすためには高齢期になってからの注意では間に合いません。生涯を通して健康に注意することが基本となります。入社時の健康診断、毎年の企業健診、地方自治体の健診、個人の人間ドックなどを毎年受診され、『ご自身の健康リスク』を把握していることが重要です。そしてその結果を丁寧に指導していく『ホ-ムドクタ-の存在』 が不可欠となります。健康リスクに対する指導が早期に開始されれば、コントロ-ル可能な健康リスクで留まり、仮に内服治療を必要とする場合でも最小限の内服量ですみ、将来の健康寿命に及ぼす影響を可能な限り減らすことができます。

 各年齢における健康注意
① 入社時 ~ 30歳
体重の増加 脂肪肝 コレステロ-ル・中性脂肪の上昇に注意
メタボ予備群の注意
② 30歳 ~ 40歳
体重の増加 脂肪肝 コレステロ-ル・中性脂肪 血圧の上昇に注意
子宮癌検診 乳癌検診を毎年実施
メタボの注意
③ 40歳 ~ 50歳
体重の増加 脂肪肝 コレステロ-ル・中性脂肪 血圧 血糖値の上昇に注意
子宮癌検診 乳癌検診を毎年実施
胸部レントゲン 胃透視 検便などで癌の早期発見を
高血圧症 脂質代謝異常 糖尿病の適切な通院治療を
④ 50歳 ~ 60歳
体重の増加 脂肪肝 コレステロ-ル・中性脂肪 血圧 血糖値の上昇に注意
子宮癌検診 乳癌検診を毎年実施
胸部レントゲン 胃透視 検便などで癌の早期発見を
高血圧症 脂質代謝異常 糖尿病の適切な通院治療を
血管年齢・動脈硬化に注意 心筋梗塞・脳梗塞の予防・治療を
⑤ 60歳以上
胸部レントゲン 胃透視 検便などで癌の早期発見を
高血圧症 脂質代謝異常 糖尿病の適切な通院治療を
血管年齢・動脈硬化に注意 心筋梗塞・脳梗塞の予防・治療を
筋力の維持(体操 散歩 スポ-ツ) 物忘れ・認知症の予防・早期発見を

健康寿命を延ばすためには高齢期になってからの注意ではなく、若い時からの継続した注意が大切です。ご自身の健康リスクを把握して信頼のおけるホ-ムドクタ-を持ちましょう。

 
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